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2005.03.29

リクエストのおかげで

1月の喫茶店ライブの時にリクエストされた「百万本のバラ」。なんとか2ヶ月間で覚えて3月のライブでお披露目したのだのだけれど。実は、もう一曲リクエストがあったのでした。

「ももちゃん、"ジャニー・ギター"歌ってよ。ギターといえば、"ジャニー・ギター"だよ、ジャニー・ギター!!!」と、いつも聞きに来てくださるおじさまが迫ってくる。

はあ? ジャニー・ギター?
「そうそう、ペギー・リーが歌ってたジャニー・ギター」
ペギー・リーもジャニー・ギターも聞いたことがない。「マスター、知ってる? ペギー・リーのジャニー・ギターって???」
「知ってるよー。大砂塵だろ?」
どうやらおじ様達には懐かしい歌らしい。
ペギー・リー・・・ジャニー・ギター・・・大砂塵・・・おじさまたちよりはちょっぴり後に青春時代を過ごしたわたしにはチンプンカンプン。とりあえず、リクエストは一回に一曲受付ることにして、謎の"ジャニー・ギター"は忘れていただくことにしたのでした。

数日前、ふと思い出して、"ジャニー・ギター"をインターネットで検索してみると、ペギー・リーの歌声を聴けるサイトにたどりつきました。

ジャニー・ギター。
Johnny Guitar という名のさすらいのギター弾きが登場する1954年のアメリカ映画「大砂塵」の主題歌だそうな。タイトルの通り、砂嵐の中をギターを背に馬で旅するJohnny Guitar がさっそうと登場するらしい。

1920年生まれの往年のスター歌手(だそうな)、ペギー・リーが歌うJohnny Guitar. 西部の荒野を馬に乗って去っていく(映画にそういうシーンがあるかどうかは知らないが)男の背中が似合いそうな哀愁漂うメロディ。合間に少しだけ入るギターソロが涙をさそう。そして、ペギー・リーのハスキーな歌声。西部劇のエンディングにあまりにもふさわしい歌だった。なるほど、これはおじさんたちが懐かしがるのも無理はない。そう思える歌である。

このサイトでは、ペギー・リーの歌がもう一曲聞けるようです。それは Fly Me To The Moon.  これならわたしだって知っています。ジャニー・ギターを哀愁漂わせて歌っているペギー・リーが歌うFly Me To The Moon はどんなだろう? 

聞いてみて驚いた。なんと優しく、ロマンチックに歌うことか! 西部の荒野に流れるジャニー・ギターとは別人のようにさえ聞こえる。

そして、さらに驚いたこと。それは歌詞だった。わたしの知っているFly Me To The Moon は、そして、たいていの人が歌っているのも、"Fly me to the moon and let me play among the stars..."と始まるものだ。ところが、ペギー・リーの歌には、この前にさらに歌詞があった。


 詩人は、簡単なことを言い表すのに
 言葉をたくさん使う
 詩を歌にするには、
 時間をかけて詩を読み解かないといけない

 あなたのために新しい歌を作った
 あなたが、わたしの言いたいことを
 ちゃんとわかってくれるように
 歌いながら意味を説明してあげよう


なるほど。この歌は、詩的な表現と、それをシンプルな言葉に言い直した注釈との繰り返しという構造だったのか! 


 わたしを月に連れて行って。
 そして星たちの中で遊ばせて。
 木星や火星の春を
 わたしに見せて

 わたしの言いたいこと、わかるかしら?。
 わたしの手を握って。
 わたしにキスして・・・
 っていう意味よ。


ももこ風に訳すとこんな感じ。なんてかわいらしい詩ではありませんか。

実は、このFly Me To The Moon という歌。きれいな歌だけれど、いまひとつ歌詞がピンとこなかった。なんだか言葉だけで遊んでいるような歌に聞こえていた。まあ、時にはジャズ風に、時にはボサノバ風におしゃれに歌うのならば、別に歌詞の内容がどうでもあまり関係ないのかもしれない。実際、耳に心地よい響きを楽しむための歌はいくらでもあるのだから。そう思っていた。

でも、このペギー・リーの歌うFly Me To The Moon の歌詞を聴いて、ああ、この歌は茶目っ気のある、そしてとってもロマンチックなラブソングなのだと初めて知ったのでした。

ジャニー・ギターというリクエストをいただいたおかげで、また一つ、かわいらしい歌に出会いました。やっぱり、いただいたリクエストはおろそかにしてはいけないのですね。

でも・・・"ジャニー・ギター"は途中にギターソロを入れないとカッコがつかないし、そんなムズカシイことはわたしには弾けないし、そもそも、西部の荒野に似合うような歌はわたしには歌えないし・・・・かわりに Fly Me To The Moon で喫茶店のおじ様たちは許してくれないかなあ・・・無理だろうなあ・・・やっぱり、ジャニー・ギターのリクエストは忘れちゃったことにしようっと。

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