Come home to ってなあに?
友達とラーメンを食べていました。なんの変哲もないラーメン屋さん。BGMにジャズが流れていました。それも、とりたてて変わった出来事ではありません。ねぎラーメンが来るまでの間、聞くとはなしにそのBGMを聞いていました。
「あ、この曲、知っている・・・」ジャズなどにはふだん縁のないわたしだけれど、その時聞こえてきた曲は、そんなわたしでも何度も聞いたことのある有名な曲だった。
「そう。You'd Be So Nice To Come Home To」と友達が曲名を教えてくれた。そして、「最後のtoの意味が最初はわからなかった」と付け加えた。
え? 最後の to ?
耳になじみのあるメロディだけれど、正確なタイトルは知らなかったわたし。なんとなく、この曲は You'd Be So Nice To Come Home というタイトルだと思っていた。最後に to がついてたの?
でも、You'd be so nice to come home to ってどういう意味なんだろう? ジャズ好きの友達の解説も、ねぎラーメンを食べながら聞くせいか、いまひとつ頭に入らない。
家に帰ってきてから調べてみた。そうしたら、なんと、この歌の邦題をつけた人も、わたしと同じようにこの歌のタイトルは"You would be so nice to come home"だと 勘違いしていたフシがある。だって、「帰ってくれたら嬉しいわ」というのが一般的な邦題らしいから・・・
まずは英語の歌詞を読まなければ話が始まらない。フランク・シナトラがうたっているという歌詞を見ると、Fly Me To The Moon と同じように歌に入る前に前書きがあった・・・verseというらしい・・・
まあ、なんだかちょっと失礼な前書きじゃない? これって・・・・
他の女の子よりも
君がとりたてて魅力的ってわけでもないんだ
季節外れのアスパラガスほどにも
君に希少価値があるっていうわけでもない
そうじゃなくて
君が僕のものであって欲しいのは
こういうことなのさ・・・
季節外れのアスパラガスと比べられちゃうの? いったい、そんなわたしはあんたの何なのさ? と言いたくなるけれど、歌詞を終わりまで読んでみて、ま、けっこういいこと言ってくれてるのね、と思い直しました。
歌の最後はこうなのです。
You' d be so nice,
You'd be paradice to come home to and love
なるほど。「君は僕のparadice」。。。これなら言われてみて悪くない言葉。じゃ、come home to っていうのは何? 調べてみたら、これは「~~に帰る」という意味と「胸にこたえる」という二つの意味があるイディオムでした。知らなかった! たいていの人は単なるcome homeだと勘違いして、「あなたが帰ってきてくれたらいいだろうに」と訳しちゃったわけですね。
そうではないってことは最後の一行を読むとよくわかります。
You'd be paradice to come home to and love.
この文をじーーっと見ていると、come home to と love が並列だと見えてきます。to come home to and love するのは「君」ではなくて「僕」なのですね。そして、come home to には、「君の元へ帰る」と「君の心に訴える」という二つのニュアンスがオーバーラップして、それが love につながる・・・・
この歌が作られたのは第二次大戦中の1943年。アメリカ人兵士達は、この歌を恋人や家族から遠く離れたところで聞いていたんでしょうね。「君は絶世の美女っていうわけじゃないけれど、僕にとってはかけがえのないひとなんだよ。今、僕は遠く離れているけれど、君のところへ帰りたい、この気持ちが君に伝わったらどんなに幸せだろう」という思いがYou'd be so nice to come home to という言葉に凝縮されているのだと思いました。あるいは、戦時下のアメリカ人は、恋人や家族への思いをこの歌にだぶらせて聞いていたのかもしれません。come home to というイディオムの「帰る」と「胸に訴える」というオーバーラップした語感が、この歌をヒットさせた所以ではないだろうか・・・
というわけで、ねぎラーメンのBGMから、思わぬ英語の勉強をしてしまったのでした。
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コメント
とりさん、こんばんは。そうなんです。今回は思わぬ英語のお勉強をしてしまいました。長く歌いつがれた歌は曲も歌詞もとてもいいものなのですね。
投稿: ももこ | 2005.05.02 22:14
ごぶさたしてます。
前、誰かとこの曲の意味を話してて
君が僕の家に帰るのがいい感じなのか、
僕が君の家に帰るのが君にとっていい感じなのか
どっちなんだろうと話してたことを思い出しました。
私の解釈はぜんぜん違ってましたね。
^^;
勉強になりました。
スタンダードって歌詞いいですよね。
投稿: とり | 2005.04.27 23:29
歌詞ももちろんいいけれど、そもそもかっこいい曲ですよね。楽器でこの曲を演奏するひとって、歌の内容を考えて演奏してるのかな・・とちょっと知りたくなりました。ナヲキさん、暗譜がんばってくださいね。
投稿: ももこd | 2005.04.21 00:14
すばらしい!
その昔、これと同じ解釈をどこかの偉い評論家さんがしてたよ。
そちらはももちゃんみたいな自然体の文章とは程遠い、
オエライ文章でしたなあ。。
いい曲だよね。ぼくもただいま暗譜中(営業用)
投稿: ナヲキ兄 | 2005.04.20 18:34