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2005.04.05

冬から春へ

1月、2月のライブで「冬の星座」という歌を歌った。文部省唱歌だったというこの歌。堀内敬三さんが書いた詩を改めて読んでみたときに、おだやかなメロディの上に、こんなにダイナミックに星空を描いてみせる彼の詩心に脱帽してしまった。

特に二番の歌詞をうたうときはいつもドキドキしてしまう。

 ほのぼの明かりて流るる銀河
 オリオン舞い立ち昴はさざめく
 無窮を指さす北斗の針と・・・・

昔は、都会からそう遠くないところでこのような星空が見えたのだろうか。宇宙の壮大な流れが見えるような詩。とうとうと流れる星の時間と、ピンと張りつめた冬の空気が歌っているうちに頬に感じられるような気がする。

3月には「どこかで春が」を歌った。
 
 どこかで春が生まれてる
 どこかで水が流れ出す
 どこかでひばりが鳴いている
 どこかで芽の出る音がする・・・

厳しい寒さがまだまだ続く日に、耳をすまして、すまして春の芽生えの気配を聞き取ろうとする。その感じ方がとても好きな歌。

そして4月は、おぼろ月夜を歌おうと思う。
これも有名な文部省唱歌。1番の歌詞はよく覚えていた。けれど、2番は何だっけ? 調べてみると、またまた詩の美しさに感動してしまった。

 里わの火影も 森の色も
 田中の小路をたどる人も
 蛙の鳴く音も 鐘の音も
 さながら霞める おぼろ月夜

そぞろ歩きながら家路をたどるのがようやく心地よい季節になったころ。何十年か前にはどこにでもあったような田園風景がふんわりとかすんで見える
おぼろ月夜の夜。春の田んぼ道の匂いがしてきそうな歌詞。 そして、目に映る風景、耳にする生活の音をたたみかけるように並べて、しかも一つの文で一つの詩。こんな美しい日本語の詩が書ける人は本当にうらやましい。

昔の人は感性と言葉がとても豊かだったに違いない。肌で感じる季節の移ろいを、美しい日本語を用いて描いてみせてくれる。読んでみると、そして歌ってみると、情景が、山奥の雪どけや田んぼ道の匂いや、夜空の星のきらめきまでが音と匂いになって伝わってきそうな詩の世界。

大切にたいせつに歌いたいものだと思う。

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