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2005.10.17

弾けば弾くほど震えるギター

曲のいちばん最後。12フレットのハーモニクスをポーンと弾いた瞬間、心臓がドドドドドドっと連打を始め、足はガクガク震え、体中の力が抜けて、椅子から立ち上がれないかと思った。

今夜は国分寺のライブハウス、クラスタ恒例の「フリーコンサート」。15人のギター弾きが15分ずつギターソロを披露するという、ギター好きによる、ギター好きのためのイベント。このイベントに、大胆にも今年は何度も参加させていただいているのです。

今年の前半、フリーコンサートに参加し始めたころは、ギターの曲を弾くこと自体に意味がある。文字通り「参加することに意義がある」という心境でした。ごくごく簡単な曲を、できるだけ間違わずに、つっかえずに、ソコソコ楽しく弾ければいい。そう思っていましたし、実際その程度に弾くのでさえ大変なことでした。

去年の今頃ギター教室で習った曲。そして、今度の日曜日の発表会で弾く曲。"Le Pelerin".
先生の注意を思い出しながら何度も何度も弾いているうちに、自分が聞きたいギターの音を少し意識できるようになった。そして、その音を出すにはどうしたらいいか、ひとつひとつの音を弾くときにこだわるようになった。

時々、我ながら惚れ惚れするような(?)美しい音がするのです。でも、それはまだ、まぐれ当たり程度の確率で起こる幸運。その幸福の美しい音の確率を上げるにはどうしたらいいのか?と、練習するたびに右手の指と左手の指をにらんではあれこれやってみる。

そして、いつの間にか、音符どおりの正しい音が弾けるだけでは「弾けたこと」にはならない、という妙に厳しい基準が自分の中にできてしまいました。美しい音、あるいはシャキっとした音でないと「弾けたこと」にはならないのです。そして、困ったことに、そういう「弾けた音」を出せる確率はまだまだ50パーセント未満。思うような音が、聞こえてきて欲しい音がギターから聞こえてこないと、気持ち悪くて、悔しくて、何度も何度も弾きなおしてしまう。

いい音の発生確率50パーセント。これは、一つ一つの音についての確率です。曲を通して、美しい音で弾きとおせる確率なんて限りなくゼロに近い・・・・気が遠くなるような話です。

そんな状態で迎えた10月のフリーコンサート。

今年の1月、初めて参加したフリーコンサートでは、緊張したとはいっても、「しょせん、他の皆さんとはレベルが全然違うんだから、ももこさんが弾くってことに意義があるってことにしといてね」という意識があった。だから、出来はともかく終わりまで弾いて、「ああー、緊張したー!」と言いながらも楽しかった。

今日は、曲の最初の一音から神経がピリピリしていた。なぜなら、最初の一音から、「いい音」を出す確率との戦いが始まるから。そして、「弾けてる音」が出ようと出まいと、曲は曲として心を込めて弾きたいとも思ったから。一つ一つの音を聞きながら、そしてメロディのつながりを聞きながら一生懸命弾いた"Le Pelerin".  弾き終わったとたんに緊張が緩んで、震えが止まらなくなってしまいました。

去年の12月の日記に、「弾き語りをするときに足がガクガク震えなくなった。これはとても嬉しいクリスマスプレゼント」と書いている。そして、ことしの10月。震えるほどに自分のギターの音にこだわりを持てるようになったことは、ちょっと重たい誕生日プレゼントなのかもしれません。

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コメント

田中マスター、昨日はお世話になりました。お店のギター、弾きやすいです。きっと、お店のギターを弾くと、上手に聞こえるんですねえ・・・

ペコちゃん。フリーコンサートはですね。他の皆さんは15分の持ち時間を使いきり、本当はもっともっと弾けちゃう方々ですが・・わたくしは、2曲で5分!です。5分で、もう、クタクタ・・・

投稿: ももこ | 2005.10.17 22:38

ソロギターを15分も続けて弾くなんてそれだけでもうすごいことですよ・・・
最近ようやくボサノバ弾き語りが1曲2曲できるようになったばかりの私から見れば。
山は高く険しく、道ははるかに遠いのですね。

投稿: peko | 2005.10.17 22:23

あらためて、ももこさんの音色の美しさに感動しました。
プロでもあんなにきれいな音を出せる人は少ないです。大いに自信を持って演奏会に臨んで下さい。

投稿: 田中 | 2005.10.17 16:16

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