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2005.11.12

ひたすら弾く。とことん弾く。弾けなくなるまえ弾く。

ギターを抱えて・・・さてきょうは何を弾こう?

なぜか弾き始めたのは"VOU FESTEJAR".

ベチ・カルヴァーリョの歌と独特なギターのイントロがサンバ好きの間では有名な歌。前のめりのリズムとスピード、そして熱唱系のサンバ歌手が会場中を興奮の渦に巻き込みながら歌う歌。ヴォウ・フェステジャー。

わたしにはこんな歌は一生歌えないだろうと思っていたのだが、ある日のサンバの先生のレッスンで、先生の弾くお手本を聞いた瞬間に「弾いてみたい!」と思ったのでした。

2弦の解放弦がミステリアスな雰囲気を盛り上げる。弦を1本、2本と弾き分けるパターンはアルペジオの変形のようで美しくさえあるのだけれど、先生のお手本はあくまでもサンバ。スピード感の中にゆったりとした流れがあって、聞いているだけで気持ちよかった。

レッスンから数ヶ月。きょう、久しぶりにヴォウ・フェステジャーに挑戦してみた。数ヶ月前、まったく歯がたたなかったギターのパターン。きょうはどうにかこうにか弾けるようだ。

弾けるようだ、と感じたその瞬間から、わたしは狂ったように弾き続けた。

マイナーの前半部分からメジャーの中間部、そして最後、盛り上がるマイナーの部分とドラマチックに展開するヴォウ・フェステジャー。右手はひたすら同じパターンの繰り返し。同じパターンを繰り返しながら、頭の中で歌ってみる。最初は静かに、そして、途中から感情を吐き出すように、そしてちょっぴりの恨みを込めて、でも最後は「ララヤラーー」と歌い飛ばす。「あんたの裏切りなんかいまさらどうでもいいことさ!」と笑い飛ばすように。そんなドラマを、ひたすら同じパターンを繰り返す右手と、ドラマチックにコードを変えていく左手に感じながら弾き続けた。

もう一回。もう一回。もう一回。

右腕に力が入ってがちがちに固まってしまう。今のわたしにはまだまだ無理な速さと弾き方なのだろう。それでも、何度も何度も弾き続けていると、腕の力がふわっと抜けて右手の指先が温かくなる瞬間がある。20分、30分と弾き続ける中にほんの一瞬、体のどこにも力が入っていないような、軽々と弾いている瞬間がある。

この感覚はいつかどこかで体験した・・・・そう! サンバチームの練習! タンボリンやヘピニキをひたすら叩き続けていたときの感覚と同じ。何十分も叩き続けると、打楽器に慣れないわたしの腕はがちがちに固まって痺れてくる。そこを通り越してさらに叩いていると、ふっと力が抜ける瞬間が訪れる。力を抜くというのは、意識してたやすく出来ることではない。一定の時間叩き続けるというトレーニングを積み重ねる中で経験的に発見するものだった。

ああ、サンバってこういうものだったよねえ。

何十回目かのヴォウ・フェステジャーを弾きながら、一瞬軽くなった腕がまたガチガチとこわばるのを感じながら思った。

ああ、サンバってこういうものだったよねえ。

叩き続ける。サンバの練習はこれしかなかった。叩き続ける中に発見があった。叩き続けることでちょっとずつ楽に叩けるようになった。叩き続けるということの中に気持ちを高揚させる魔力があった。そして、叩き続けるうちに、ふわっと体が軽くなる瞬間が訪れた。

どうして、こんな基本的なことに気づかなかったんだろう? ギターだって同じなのに・・・ 弾き続けることの中に発見があるはずじゃない? どうしてそれをしないでサンバを諦めていたんだろう?

そんな想いが体の中を駆け巡る。

もう一回。もう一回。もう一回。あともう一回だけ・・・

時計の針が「今夜の練習はこれで終わり」と告げるまで、ひたすらヴォウ・フェステジャーを弾き続けた一日でした。


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