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2006.03.06

20万枚の葉を落とす

週末、風邪から熱を出して寝込んでおりました。

咳が止まらない夜はなんだか心細く、また気を紛らす何かが欲しくて、夜通しテレビをつけっぱなしにしていました。

うとうととしては咳で目が覚め、テレビ音に耳をそばだてているうちにまたうとうと・・・

そんなウツウツとした夜に聞こえてきたお話です。

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秋田県と岩手県の県境に広がる原生林には、樹齢推定何百年という巨木が発見されました。

幹に穴が空き、侵入してくる細菌と戦ってこぶをつくり、自分の幹の朽ち果てた部分に新たに根を張って養分を吸い込む・・・というすさまじい生命力で、何百年にも及ぶ生存競争を生き抜いてきました。

そんな巨木が冬を迎えようとしています。冬が来る前に葉を落とすのです。

夏の間、巨木に栄養を送ってきた20万枚の葉っぱ。だけれども、雪が降る前にそのすべての葉を落とさなければ、雪の重みに耐えられずに枝が折れてしまいます。

葉っぱは放っておけば落ちるのではありません。葉っぱを落とすためには、枝と葉の間に細胞の膜を作って栄養の進路を遮断するというプロセスが不可欠なのです。

20万枚の葉の付け根に細胞の膜を作る。

気の遠くなるようなエネルギーが必要です。

雪が降る前に、すべての葉を落とすだけの力が、この巨木には残っているだろうか・・・・

晩秋から初冬。

回りの木々はとっくに葉を落として冬支度を終えていますが、この巨木はようやく葉を落とし始めたところです。

そして雪が降る。

まだ葉が落ちきっていない巨木の枝に雪が積もります・・・・

*****

葉っぱは、単に枯れたから落ちるのではないのですね。秋になったら自動的に落ちるのではないのですね。葉っぱが落ちるには、木が自分の力で葉を落とす準備をしなければならないのですね。葉を落とす準備をするエネルギーが尽きたときが、その木の命の終わりを意味するのですね。

ナレーションを聞きながら、樹齢何百年かの巨木の、最後まで力をふりしぼる、痛々しいまでの生命力に心打たれました。

久しぶりにテレビを見て(というか聞いてというか・・)、静かな感動を覚えた風邪ひきの夜でした。

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NHK総合テレビの番組でした。

「巨樹 生命の不思議」
~緑の魔境・和賀山塊~

再放送があるようです。
 【総合テレビ】にて
  3月8日(水)午前0:15~1:07
 (7日(火)深夜の放送です。)

今度はテレビの前に座って、じっくり見てみようと思ってます

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