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2006.05.30

左手で弾く

ギター教室のレッスンで、久しぶりに「禁じられた遊び」を先生に聞いてもらった。


「では、聞かせてください」

1弦の7フレットに小指を当てて弾き始める。

「ちょっと待って」と先生。

え?

まだ1小節も弾いていないのに・・・

「左手と右手は同時に弾いてください」

え? 同時?

「先に弦を押さえておいてから右手で弦をはじくのではなくて、右手が弦をはじくタイミングで7フレットを押さえてください」

はあ・・・

わたしはさぞかし納得のいかない顔をしていたのだろう。先生の説明は続く。

「ギターは、左手で弦を押さえるだけでも音が出ますよね。ということは、左手の役割は、ただ単に音の高低をつけているだけじゃないということです。音色にも貢献しているということです。

最初から弦を押さえておいて、後から右手で弦をはじくと、右手の音色しか出てきません。左手で弦を押さえるのと右手で弦をはじくのを同時にすると、両手で音を出すことになります。ためしにやってみてください」

やってみた。
左手の小指が1弦に命中しないのではないかとおっかなびっくりになってしまう。

「指は弦にギリギリまで近づけておけば、押さえそこねる心配はありません。」

そりゃ、理屈はそうだけれど、緊張で息が詰まりそう。

何度か失敗した後に、ようやく左右の指で同時に音が出せた。その音は・・・

始まりの音だ、と思った。

小さな音でうたい始める曲の出だしだけれど、ストーリーの始まりをきっぱりと告げる音。弱いけれど、弱々しくない音。そんな「始まりの音」になると思った。

それにしても緊張で息が詰まってしまう。家に帰って何度も練習してみたところ、「息を詰める」のではなく、深く息を吸って吐き出すタイミングで、左手の小指と右手の小指を同時に弾くとうまくいくことに気がついた。

何度も何度も、確かめるように弾いてみた「禁じられた遊び」の語り始め。

もう何年も弾いているのに満足に弾けないこの小さな練習曲。それでも、また一つ、自分が聞きたい音を出せるようになったことが嬉しくて、ぽつりぽつりと弾き続ける。ギターの音に耳をすませて弾き続ける。

左手と右手でうたう「禁じられた遊び。


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2006.05.16

5曲目はテイック・ファイヴ?

Momokoにジャズは似合わない。

先月、歌いに行ったお店の入り口の黒板に「Momoko(JAZZ)」と書いてあるのを見たとき、つくづくそう思った。

似合わないなあ。
Momokoとジャズ。

でも、実はわたしは隠れジャズファンなのです。

隠れジャズファン?
より実態に近づけて表現するならば、「なんちゃってジャズファン」とでも言いましょうか。

ジャズのCDは2枚しか持っていない"なんちゃってジャズファン"。
ジャズのライブに行けば、どこで拍手すればいいんだろう?と落ち着かない「なんちゃてジャズファン」。
ジャズの名曲のタイトルを10個ぐらいしか知らない"なんちゃってジャズファン"。

そんな"なんちゃってジャズファン"のわたしが、演奏者の名前と曲名をセットで言えるジャズの曲がただ一つだけある。

デイヴ・ブルーベック・クァルテットの"テイク・ファイヴ"

***

20歳のころだったろうか。
ある日、仕事から帰ってきた6歳年上の姉がわたしにこう話しかけた。

「ジャズのことが手っ取り早くわかる本、何か知らない?」

いったい何事かと思って聞いてみると・・・

ファッション関係の仕事をしていた姉は、仕事上の付き合いで食事やお酒の席に出ることが時々あるらしく、そんな場でなぜか、ジャズ談義が交わされるらしい。家に帰ればわたしといっしょに歌番組を見て鼻歌を歌っている姉である。ジャズのうん蓄はちんぷんかんぷんだったに違いない。

「せめて、相づちぐらい挟めないと間がもたないのよねえ」

残念ながら、相談された妹もジャズの知識など持ち合わせていなかった。ただ、本を読んだところで音楽はわからないんじゃないの?と思ったわたしは、レコード屋さんに出かけて行って「魅惑のジャズ名曲集」(正確なタイトルは忘れてしまったけれど)みたいなミュージックテープを買ってきて、「有名曲が一通り入っているみたいだよ」と言って姉に渡しました。

結局、姉がそのテープをほとんど聞かないうちに、姉の周囲のジャズブームは去っていったらしい。

せっかく買ってきたのだからと、姉が放り出したそのテープを聴いてみた。そして、何曲目かに聞こえてきたのは・・・

何が始まるんだろう?と耳をそばだてたくなるドラム。
大真面目なのだか遊んでいるのだかわからない、トツトツとしたピアノ。
そして、そのドラムとピアノに乗って、美しく、軽々と歌うサックス。

遊んでいるようにも聞こえる。
でも、あまりにも律儀なピアノは、もしかしたら真剣に弾いてるのかな?と思わなくもない。

次はどうなるの? 
それからどうなるの? 
うんうん、それから?

終始トツトツと鳴っているピアノ。
いつの間にかわたしの体の中でも同じリズムが鳴り出した。いつの間にか、わたしは彼らといっしょに体を揺らして、歌っていた・・・・

何度も何度も巻き戻しては聞いた。
何度聞いてもドキドキする。

それで? それから?
と彼らを促したくなる。
うんうん、そして?
と先を聞きたくなる。
体が不思議に揺れてくる。

今でも頭の中であのテープで聞いたとおりの音を再生することができる。記憶に刷り込まれるほどに聞き込んだ唯一のジャズの曲。

出イヴ・ブルーベック・クァルテットの
テイク・ファイヴ

***

テイク・ファイヴ。
最初、それが5拍子の曲だとは気がつかなかった。そんなヘンテコリンな拍子には聞こえなかった。あまりにも軽々と自然で、気負いのない演奏だった。

テイク・ファイヴ。
それが「五拍子」という意味だと知ったのはだいぶ後のこと。

テイク・ヴァイヴ。
それが「5分間休憩しよう」という英語の口語表現で、実際にこの曲の演奏時間が5分ちょっとだというのは、ついさっき知ったこと。

デイヴ・ブルーベックのテイク・ファイヴ。
ミュージシャンの名前と曲名をセットで言える唯一のジャズの曲。

しかし。

この文章を書くにあたって演奏者を確認してみて、自分のトンチンカンさ加減に笑ってしまった。

わたしは、きょうのきょうまで、デイヴ・ブルーベックはサックス奏者だと思っていた! デイヴ・ブルーベックとは、あの、トツトツとしたピアノを最初から最後まで刻み続けていた人だったのですねえ。

やっぱりわたしは"なんちゃってジャズファン"みたいです。

***

その"テイク・ファイヴ"をライブで聴ける日がやってくる。

 ウォルフィー佐野&山口孝弘ジャズライブ
 七弦ギターをメインにいくつかの楽器を使って、最大限に曲を表現するウォルフィーさんと、切れ味のいい、生き生きとしたギターを聞かせてくれる山口さんとのデュオ。
 毎回、3曲目は三拍子というお約束になっているらしい二人のライブで、今回取り上げるらしいテイク・ファイヴ。何曲目に聴けるのだろう?
 思い出の曲との新しい出会いが心待ちなライブです。

***

ウォルフィー佐野&山口孝弘ジャズライブ
5月18日(木) 19:30~
国分寺 クラスタ
チャージ:1500円

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2006.05.03

ケツバット!!!

 ♪きょうもきょうとて
 ♪ケツバット~

夜8時過ぎの渋谷駅南口。
渋谷駅南口、モヤイ像前に
大きな立て看板と
黄色いアンプと
マイクスタンドと
販売用のCDにチラシ、
ギターケースに入れたギター、
その他もろもろ・・・・

その、いっさいがっさいを
どうやって運んできたのかはわからないが
とにかく、そのいっさいがっさいを背負って
電車に乗って、
やってきた
玄米君。

「どうも、はじめまして。
玄米といいます。
よろしくお願いします。
今月から渋谷で、こうやって歌ってます。」

とつとつ、ひょうひょうと喋りながら
ギターを弾いて歌う。

歌うのは・・・

歌うのは・・・

「ケツバット」!!!!!

 ♪きょうもきょうとて
 ♪ケツバット~

純朴な青年、玄米君。
バスケ部にいたらしい玄米君。

でも、

歌うのは・・・

歌うのは・・・

「ケツバット」!!!

 ♪きょうもきょうとて
 ♪ケツバット~

一度聞いたら忘れられない。
何度聞いても、終わりまで聞きたくなる。

 ♪カキーン~~~!

ライブハウスのステージでは
ここでエンジニアさんが
「カキーン・カキーン、カキーン・・・」と効果音をつけてくれる。
照明が点滅し、
客席は大喝采!

でも、ここは渋谷南口モヤイ像前。
ディレイをかけてくれるエンジニアさんも
チカチカ点滅する照明もない。

でも・・・・

 ♪カキーン~!

パチパチパチパチ。
お約束どおりの拍手が聞こえる。
玄米ファンのお姉さんだ。

 ♪きょうもきょうとて
 ♪ケツバット~

名作、「ケツバット」入りの玄米CD。
「大願成就米」数粒入り。
1枚500円。
500枚売れると
玄米に芽が出るらしい。

  
 ♪きょうもきょうとて
 ♪ケツバット~

今夜のお天気はどうかなあ?
雨が上がれば
今夜も
明日も
あさっても
渋谷駅南口モヤイ像前で
聞けるはずです。

赤いスニーカーの玄米君が

歌うのは・・・

歌うのは・・・

 「ケツバット」!!!

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玄米、最高!とももこおばさんは叫ぶ

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