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2012.05.21

3万円!? 蔦の絡まる家騒動、つづき

屋根まで蔦に絡まれてしまった我が家。

 ヒッパレー♪
 ヒッパレー♪

ももこの細腕の届く限りの蔦を

 ヒッパレー♪
 ヒッパレー♪

2階への階段突き当りの小窓に喰いついた蔦も、

 ヒッパレー♪
 ヒッパレー♪

その拍子に小窓の網戸が


すっぽーん!


と飛んでいってしまった、その時。


ピンポーン!


玄関の呼び鈴が鳴りました。


只今取り込み中の我が家の呼び鈴を押すのはいったい誰だ?

ドアを開けると現れたのは、頭に黄色いタオル、足元は地下足袋のお兄ちゃん。


「お庭の雑草、ずいぶん伸びてますねえ。きれいにしませんか??」

あらら、植木屋さん?

「はい!」

お兄ちゃん、ちょうどいい時に来てくれたわ。
ちょっと、うちに上がって、勝手口から北側の壁を見てくれない?

「はい!」

お兄ちゃんは地下足袋の10個のこはぜを外して、茶の間を通って勝手口から北側の壁を見上げる。

「これは大変! すぐに採らないと、屋根瓦が動いて雨漏りしますよ。」

そうよねえ! 
お兄ちゃん、やってくれる?

「はい! 3人で来てますから、このぐらいならすぐできますよ。」

で、いくらぐらいでやってくれる?

「そうですねえ。雨どいの中もきれいにお掃除して7万円ってとこですかねえ!」

7万円? そんな大金、私のお財布には入ってないなあ・・・

「蔦を取るだけなら3万円でいいですよ!」

3万円なら何とかなるかなあ・・・頼んじゃおうかなあ・・・


ふと、後ろをふりむくと、母が無言でしきりに首を横に振っている。

うん? 
3万円でもまだ高い?

必死に首を横に振り続ける母・・・


こんなにはっきりNo!の意思表示を母にされては、頼むわけにはいかないか・・・

お兄ちゃん、ごめんね。

何しろ、ついさっき、この蔦の状態に気が付いたばかりなのよ。
ちょっと家族と相談してみることにするわ。お隣にも声をかけないといけないしね。

「わかりました!」

お兄ちゃんは、地下足袋の10個のこはぜを順々にはめて、去っていきました。


で、お母さん・・・3万円はやっぱり高かったかなあ?

「あの植木屋はどうしようもない奴なんだよ。」

ええ? お母さん、あの植木屋の兄ちゃん、知ってるの?

「前にも、庭の雑草を取りますって来たんだよ。」

ふーん。で、雑草を取ってもらったの?

「ちょうどいいところに来たと思ってさ。
"庭の草、全部抜いて、きれいにしてちょうだい"って言ったんだよ。」

草の刈り残しがあったの?

「その反対だよ。」

ええ?

「草を全部抜いてきれいにしてちょうだいって言ったらね。
私がお茶の支度をしている間に、庭の隅にあった酔芙蓉の植木まできれいさっぱり抜いちゃったんだよ。」

えええ???

「あの酔芙蓉は毎年見事な花を咲かしてたんだよ。いくら、全部刈ってくれと言ったからって、雑草と酔芙蓉の区別ぐらい、植木屋ならつきそうなものじゃないの!」

(うーん・・・「全部刈って」と言った方にも少々責任はあるけどねえ・・・)

「あんな気の利かない植木屋に仕事を頼むものじゃないよ。」

そうだったんだ・・・そんなことがあったのでは、あのお兄ちゃんには頼めないねえ。

でも・・・でも・・・

屋根まで絡まる我が家の蔦、誰に抜いてもらえばいいのよ・・・・???

悩んでいる間にも、初夏の日差しを浴びて蔦の蔓はぐんぐん伸びていく・・・


《つづく》


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