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2012.06.17

梅雨空もわるくない

近所の路地を母と散歩する。
杖をついて歩く母が、腰を伸ばして一休みするその視線の先には必ず小休止の目を楽しませてくれる花がある。

今の季節は紫陽花の花。
路地の角を曲がるたびに、玄関先のちょっとした隙間に、塀や石垣の上に、庭の片隅に、梅雨色の紫陽花が現れる。

白から水色へ。
水色から薄青紫へ。薄赤紫へ。
鮮やかな青へ。

毬細工のようなまん丸の紫陽花。
大きな花弁に縁どられた円盤が折り重なって咲く紫陽花。
しっとりと潤った梅雨時の空気を吸って、どの紫陽花もみずみずしく咲き誇る。

紫陽花って、こんなに美しい花だったかしら・・・
子供のころの記憶にある紫陽花は、白っぽい花弁に囲まれた薄緑色の細かい花のガクアジサイが多かった。今の季節、紫陽花の木にはカタツムリがいたりした。紫陽花やヤツデの木というのは、日当たりのあまりよくない場所に何となく植わっている地味な木だったように思う。

雨の日は嫌いだった。
傘をさして歩くのも、靴や服や鞄が濡れるのも億劫で、雨の日は何もする気にならなかった。

いつごろからだろう。
雨も悪くはないなと感じるようになった。
梅雨の季節のしとしと降る雨と湿った空気にふしぎな安らぎを感じるようになった。

そして紫陽花の花。
その豊かないろどりに気づかせてくれたのは、杖をつく母のゆっくりな歩みだったかもしれない。

そんな梅雨のさ中の雨の土曜の夜。
池袋のカフェ、ベムスターでのライブで歌わせていただいた。
いちばん最初の自分の出番の後は、個性的な歌い手たちの歌に間近で耳を傾ける密度の濃い音楽の夜を堪能。

卓越したピアノのテクニックと絶妙なステージングで場を最高に盛り上げたピアノ弾き語りのお兄さんのあとに、ひとりの青年がピアノに向かう。

彼は、その場にいる人からテーマをもらって即興で演奏するのだと言う。

一瞬静まった客席。

「あじさい」と私はリクエストした。

数秒間、思いをめぐらした後、青年の指が鍵盤を探り始める。

雨だれ。梅雨の季節の雨の音。
路地を曲がるたびに出会う紫陽花の花。
しっとりした梅雨時の空気に映える、微妙な色合いの、鮮やかな色彩の紫陽花の花々。

青年のピアノは、今年の梅雨の私と母と紫陽花の出会いを見事に描いて聞かせてくれた。


F1011770

ライブが終わったころには、雨は細かい霧雨になっていた。
夜のミストの中を駅に向かう。


明日の朝も、母を誘って紫陽花を愛でる散歩にでかけよう。

♪♪♪♪♪

うたった歌。
WAVE(ボサノバ~日本語byももこ)
彼と彼女のソ・ダンソ・サンバ(ボサノバ~日本語byももこ)
ララバイ(ももこオリジナル)
アーザ・ブランカ~白い翼(ブラジルの歌。訳詞朗読byももこ)
シクレッチ・コン・バナナ(ブラジルの歌)


♪♪♪♪♪

F1011782

池袋ベムスターの名物料理「レバーミルクパスタ」レバー好きの私はこの濃厚なソースにハマりました。

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