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2012.08.24

8月21日の夜。
日本橋室町186という期間限定営業の屋外カフェでのライブで歌わせていただいた。

夜7時。
カフェの周りに吊るされた提灯が夕闇に浮き上がる。。

ギターを抱えて、大きく息を吸って、歌い始める。
夜風に吹かれて、好きな歌を好きなだけ好きなふうに歌う。


 「ももこさん、ふわふわと飛んでいってしまうのではないかと心配になって何度も空を見上げてしまった。」

聞きに来てくれた友人の言葉。

 「そうしたら、Fly Me to the Moonを歌いだすから可笑しかった。ほんとうに飛んでいきたかったのかも?」

・・・・・

ライブハウスのことを「ハコ」と言うことがある。

私は「ハコ」が苦手。窮屈で仕方がない。

「ハコ」には壁があるからだろうか。
多くの「ハコ」は地下にある。
狭い階段を降りて、重たい扉を開けると、控えめの照明の店内。
1時間、2時間といるうちに、閉じ込められたような息苦しさを感じてしまう。

しかし、目に見える壁よりも目に見えない壁の方がより圧迫感をもって迫ってくるように思う。

目に見えない壁。

それはその「ハコ」が持つ空気。
その「ハコ」と、「ハコ」に集まる人が醸し出す空気。
皆がいい空気だと気持ちよさそうに呼吸する空気なのだが、私はだんだん息苦しくなる。

あくびをして、深呼吸がしたくなる。

その「ハコ」が嫌いなわけではない。
そこに集う人々が嫌いなわけでは決してない。
愛すべき音楽仲間たちである。

それなのに、なぜ、息苦しくなるのだろう?

それは、どの「ハコ」に行っても、はみ出してしまうからに違いない。
好きな歌を勝手気ままに歌う、みょうちくりんでへんてこりんな私は、どんな「ハコ」にも収まらない規格外のピース。
「ハコ」というジグソーパズルを完成させるべく集う仲間たちの中にあって、収まる場所がない規格外ピースなのだ。

1年間のニューヨーク暮らしが決まったとき、ニューヨークには私が収まる「ハコ」があるに違いないと密かに、大いに期待した。

が、その期待はあえなく裏切られた。
ニューヨークの「ハコ」にはニューヨーク色のパズルのピースがきっちりと詰めあわされていた。
いびつな私は、ニューヨークの「ハコ」でもやはり規格外のピースだった。

・・・・・

日本橋室町186の夜。
好きなだけ息を吸って、好きなだけ声を出して、好きな歌を好きなように好きなだけ歌う。

私はひとり。
私は自由。
私は歌う。
私はわたし。

右にも左にも、壁はない。
見上げれば夜空。
頬にあたる夜風。
スピーカーから流れる私の声は
日本橋界隈を、気まぐれに飛んでいく。

私の歌の原点はここだった。
そんなふうに感じた日本橋の夜でありました。


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