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2014.04.21

誰も知らない

 お星さま ひとつ
 プッチンと もいで
 こんがり焼いて
 いそいで 食べて
 おなか こわした

 お、こ、そ、と、の

 ほ!

 だーれも知らない
 こーこだけの は、な、し

ある日、ひょいと思い出した古い歌。
何十年も前にNHKのみんなの歌で放送された「誰も知らない」です。

父さんの帽子を三日月めがけて投げたら帰ってこなかったり、
年寄りのみみずが数字の踊りで宿題を教えてくれたり、
摩訶不思議な言葉と節回しの歌に
和田誠の下手うまチックなイラスト。
子供心にも、「これはただの童謡ではないぞ」と思ったような・・・


確か4番まで歌詞があったと思うのだけれど、正確に思い出せない。
インターネットは便利ですね。さっそく検索。
へえ! 谷川俊太郎作詞、中田喜直作曲だったんですねえ!
4番はどうだったかというと・・・

 でーたらめの ことば
 ひーとりごと 言って
 うしろを 見たら
 おおきな 象が
 笑って たってた

 い、き、し、ち、に

 ひ!

 だーれも知らない
 こーこだけの は、な、し

あれ~?
何か違うような気がするんだけどなあ・・・
こんな歌詞だっけ・・・

図書館で谷川俊太郎の詩集を借りて、オリジナルの詩を読んでみました。
なんか違うなあ、と思った4番の歌詞。
谷川さんのオリジナル詩はこうでした。

 でたらめのことば ひとりごといって
 うしろをみたら ひとくい土人
 わらって立ってた イキシチニ  ヒ
 誰もしらない ここだけのはなし

そうだ、そうだ、人食い土人!


「うしろを見たら、大きな象が笑って立ってた」というのと、
「うしろを見たら、ひとくい土人が笑って立ってた」というのとでは、
笑う人食い土人の方が圧倒的にインパクトがあります。
これぞ、谷川俊太郎ワールドではありませんか!


今では死語になりつつある「土人」とは、広辞苑によると
1.その土地に生まれ住む人。土着の人。土民。
2.未開の土着人。軽蔑の意を含んで使われた。
3.土でつくった人形。土人形。泥人形。


谷川俊太郎がこの詩を書いたころは、外国や外国人がまだまだ珍しかった時代。
「未開の地」の「人食い人種」の話なんてのが、子供向けの雑誌に載っていた時代です。


 うしろをみたら ひとくい土人
 わらって立ってた


というのは、今の感覚で言えば、「うしろを見たらエイリアンが笑って立ってた」ぐらいのニュアンスだったのだと思います。
当時の日本人にとって、遠いアジアやアフリカの人々は、現代のエイリアンのような未知な存在、未知ゆえに不気味な存在だった。

「誰もしらない」という詩を通して読むと、この「人食い土人」の笑いには、悪意というより人なつこさ、不気味さというよりも生身の人間を感じます。

 でたらめのことば ひとりごといって
 うしろをみたら ひとくい土人
 わらって立ってた イキシチニ  ヒ
 誰もしらない ここだけのはなし


誰にもわからないはずの独り言を言って、振り返ったら、
そこに笑うひとくい土人が立っていた。
自分にも意味不明の独り言だったけど、もしかしたら、このひとくい土人さんにはわかっちゃったのかなあ~~~???

後ろで笑って立っているのが動物の象ではなくて、自分と同じ人間である「ひとくい土人」であるところに、この詩の可笑しさがあるのだと思います。

と、考えながら何度もうたっているうちに、「誰もしらない」は私のレパートリーに加えられてしまいました。

5月2日のアルカフェさんでの20分一本勝負で歌います♪

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