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2014.06.28

青い森への旅日記7 雨の青森、街歩き

青森行きが決まった時、青森といえば○○、と連想ゲームをしてみた。

青森といえば・・・りんご、にんにく、帆立貝、せんべい汁・・・連想は食べ物ばっかり・・・

青森といえば・・・津軽海峡、津軽三味線、ねぶた・・・うーん・・・

青森といえば・・・そうだ、太宰治と棟方志功。

青森出身の版画家、棟方志功。
だいぶ前に見たドキュメンタリー番組に描かれた棟方志功の姿は忘れられない。幼くして目を病んだ彼が、眼鏡をかけた目を木版に擦りつけるようにして渾身の力をこめて製作に没頭する様子は鬼気迫るものだった。

青森に行ったら彼の作品が見られるのではないかしら?

調べてみると青森市内に棟方志功記念館というのがある。夏の展示では、木版画の他に倭画(やまとえ)と彼自身が名付けた肉筆画が展示されているらしい。
彼の作品をぜひ見てみよう。

6月14日、土曜日、午前10時30分、青森駅。
改札を出たところでiPadを取り出す。

棟方志功記念館までどうやって行こう?
記念館の案内では青森駅からタクシーで10分、最寄のバス停から徒歩4分とあるが、google mapで検索すると、徒歩35分と出てきた。

よし、歩いていこう。

幸い、雨も止んでいる。
iPadの地図を見ながら駅を背にして歩き出した。

旅するたのしみの一つはタウン・ウォッチングにある。初めて訪れる街の雰囲気を感じるには歩くのがいちばん。タクシーで通ってしまうと弱視の私にはほとんど何も実感できない。
ゆっくり歩きながら、看板やお店のディスプレイや人々の会話を間近に見聞きることで、その街の雰囲気が実感できる。

こんなオブジェ付きの居酒屋さんを発見したり。

Photo

ラーメン屋の多さとコンビニの少なさから、この街の人々の消費行動の分析を試みたり。

視覚障害者用の音声信号が完備されていることに感心したり。

目に見えるもの一つ一つを面白がって歩いていると携帯が鳴った。

「ももちゃーん! そろそろ記念館に着いたかな?」
「記念館目指して歩いてまーす! さっき本町5丁目の信号を右に曲がりました。」
「ええ!!?? 歩いてるんですか!!! 雨も降ってるのに!!!」

そういえばさっきから雨が降ってた。

夜通しのドライブ→温泉→三内丸山遺跡と予定通り車を進めてきたクマちゃん達の次の予定は“ももちゃんと合流”。
一方、あくまでマイペースの”ももちゃん”はのんびりお散歩を続けるのだった。

折り畳み傘をさして、てくてく・・・

青森市にも平安閣があるのかあ・・・うん? 結婚式場にしてはずいぶん控えめなたたずまい・・・あ、フューネラルホーム・・・なるほど。

それにしても、そろそろ右手に平和公園が見えてくるはずなんだけどなあ・・・

「すいません、棟方志功記念館に行きたいんですが?」
軽自動車に荷物を積み込む年配のご夫婦らしいお二人に聞いてみた。
「棟方志功?」奥様が答える。「この先を左・・・だよね?」(「だよね?」に相当する地元の言葉でご主人に確認。)
「そこの大きな公園の先の信号を左に曲がってまっすぐですよ」
「ありがとうございます。」

どうやらgoogle mapの徒歩ルートをどこかで見失って、公園の反対側に出てきてしまったらしい。
教えていただいた通り、平和公園の先の信号を左折してしばらく行くと、NHKの隣の棟方志功記念館にたどり着いた。

雨の土曜日の記念館は静かだった。
記録映画を上映していたが、とにかく絵が見たかったので展示室へ入る。こじんまりした展示室には20点ほどの作品が飾ってある。

ほの暗い展示室をひとめぐり。

作品はすべてガラスケースの中に展示されていて、弱視の私にはほとんど見えなかった。

ちょっぴり悲しくなった。

(一枚でいいから、額縁に入れて、ガラスケースの外の壁に架けておいてくれたらいいのになあ・・・そうしたら、額縁に目を近づけて、よく見られるのに・・・)
胸の中でこっそり我儘を言ってみる。

展示室の中央にスタインウェイのピアノがあった
棟方志功が娘さんのために買ったものだという。
本物の音を聞きたい、聞かせたいという棟方さんの感性に触れたような気がした。

15分後、記念館の入り口の門のところまでクマちゃんがシュンメイさんと二人で迎えに来てくれた。

「青森まで、ようこそ」

初めてお会いするシュンメイさんと握手。
落ち着いたお人柄が感じられる握手だった。


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