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2014.06.20

青い森への旅日記3 浦安~友情の足跡を追って

6月13日、金曜日、午前9時30分。
東西線浦安駅前。

梅雨の晴れ間の眩しい青空を見上げながら思案する。

記念橋が先か、刺身と天ぷらが先か。

朝食を済ませてからまだ2時間足らず。
橋を先に済ませてから、刺身と天ぷらをゆっくり味わいたいところなのだが、懸念材料が2点あった。

1.記念橋の場所が特定できていない。
2.刺身と天ぷらの店は11時過ぎに閉店。

もし、記念橋探索に時間がかかってしまったら、昨年の夏以来再訪を念じてきた味館食堂の刺身と天ぷらにたどりつけなくなってしまう。

橋が先か、天ぷらが先か、それが問題だ。

眩しい青空から足元へと視線を落として自問自答。
そもそもここに来た目的は何だったのか?
「浦安エレジー」の底に流れる境川を、思い出を捨てた記念橋を、この目で確かめるためではなかったか?
味館食堂の刺身と天ぷらは、いわばおまけのようなものなのだ。

そうだ。まず境川と記念橋を探さねば。

・・・・・・・・・・・・・・・

日ごろ仲良くしていただいている音楽仲間の間で時々歌われる歌に「浦安エレジー」という曲がある。
もともとは、かつて浦安に住んでいらしたシュンメイさんという方のオリジナル曲なのだが、4年ほど前のこと、シュンメイさんの詞に仲間がそれぞれ自分で曲をつけて歌ってみよう、という一人の友人の呼びかけにこたえて、多くの音楽仲間による様々な「浦安エレジー」が生まれた。

「ももこさんもぜひ作ってくださいよ」
私も歌詞をいただいていたのだが、なぜかこのムーヴメントに乗りきれずにいた。

様々なバージョンの「浦安エレジー」が歌われる時に漂う独特の懐かしさ・・・私はその懐かしさを自分のものと感じられなかった。シュンメイさんとお会いしたことのない私には、「浦安エレジー」を歌う必然性が感じられなかったのかもしれない。

青森でのライブイベントまで1週間となった土曜日。
クマちゃんの日記を読んだ。
そこに書かれている「浦安エレジー」のエピソード自体は以前から何度も聞いている内容だったのだが、この日の日記には、クマちゃんの熱い思いがあふれていた。

ひとつの歌で繋ぐ友情。

「浦安エレジー」を歌い続けることで、青森で暮らすことになったシュンメイさんとの交流を繋げたい。音楽仲間との友情を過去の思い出にしたくない。
そんな熱い思いがあふれていた。

心動かされた私はギターを抱えると「浦安エレジー」」をつくりはじめたのだった。。

・・・・・・・・・・・・・・・

目指すは浦安は境川にかかる記念橋。
日ごろからiPadのgoogle地図を見ながら街歩きを楽しんでいる私です。名前のある橋ならすぐに見つかると高をくくって、何の予習もせずに東西線に乗りました。

浦安駅でiPadを出してみると・・・google mapには記念橋が見つからないのです。
駅前の案内地図を見ましたが、橋の名前も川の名前も弱視の私には見えません。
駅前の交番で聞いてみようにも、交番はなぜか閉まっている。

とりあえず、境川の方向へ歩き始めると、交差点を渡ったところに住所案内用の地図がありました。案内版に顔をくっつけるようにして探していいくと・・・

ありました!

Tizu

今立っている大通りをまっすぐ行くと境川。
そこにかかっているのは新橋という橋で、新橋手前を左折して川沿いの細い道を行くと、次の橋が記念橋。

「雨にけぶる浦安の・・・」という歌い出しの「浦安エレジー」ですが、今日は絶好のそぞろ歩き日和。お散歩中の保育園児達に遭遇しました。

歩くこと数分で新橋。そこから川べりの遊歩道に降りると、境川を右手に見ながら細い道を進みます。
しばらく行くと細道は行きどまりになり、鉄製の階段を数段上って小さな橋を渡るようになっています。
人と自転車しか通れない小さな橋。

これがほんとに記念橋・・・?

Kinenbasi

地図こそ調べてこなかったけれど、記念橋についてはちょっとだけ調べてありました。
「祈念橋」だと思っていたのは「記念橋」で、記念橋とは大正天皇の即位を記念して対象8年に完成した、浦安で最初に架けられたコンクリート製の橋だという。

そんな由緒ある記念橋ならば、橋のたもとに立派に名前が彫ってあるに違いない。

しかし、いくら探しても、弱視の私の目には「記念橋」の名前が見つかりません。

これがホントに記念橋?

頼りないぐらいに細い橋を渡り、細い路地を抜けたところにあった雑貨屋のおばさんに聞いてみました。
「記念橋という橋に行きたいんですけど・・・?」
「記念橋なら、すぐそこにある細い橋よ」

やっぱり・・・これが記念橋。

細い路地を抜けてさっきの橋に戻ると、野外学習の小学生達が先生に引率されてやってきました。
「はい、地図を見ましょうね。この小さな橋は記念橋ですよ。地図で探せるかな?」と若い女性の先生が声を張り上げます。

やっぱり・・・これが記念橋。

小学生達が次の橋を目指して遠ざかっていくのを待って、もう一度、鉄の段々を上って細い橋の上に立つと、境川を眺めてみました。

・・・・・・・・・・・・・・・・

シュンメイさん作詞の「浦安エレジー」に自分なりに曲をつけてはみたものの、どこか腑に落ちないところがあった。

浦安といえばディズニーランドや洋風の洒落た街並みというイメージが強い。遠い親戚や知人が住む浦安の家々は日本離れした家が建ち並ぶニュータウンだ。
「浦安エレジー」にうたわれる「擦り切れたレコード」や「足踏みのミシン」というレトロな世界とモダンな浦安の街並みが私の中ではどうもしっくりと一致しない。

この曲にうたわれる境川と記念橋をこの目で確かめないと「浦安エレジー」が自分の歌にならないような気がして、青森へ旅立つ13日の金曜の朝、浦安までやってきたのだった。

来てよかった。

記念橋から眺める境川沿いの風景は、どこか、神田川に似ていた。夕暮れ時に来たならば、「あなたは、もう、忘れたかしら・・・」と口ずさみたくなるような、時間が止まりかけているような、そんな風景。

なるほど。これが「浦安エレジー」の底に流れる境川。思い出を捨てた記念橋なんだ。

来てよかった。

これで私も「浦安エレジー」の仲間に入れていただけそうだ。

・・・・・・・・・・・・・・・

「浦安エレジー」のルーツ、境川と記念橋を探訪した後は、大急ぎで駅まで引き換えし、線路をくぐって浦安魚市場へ向かいます。

Itiba

目指すは味館食堂。市場の中のカウンターだけの食堂。
市場ですから朝4時開店、昼前には閉店してしまいます。
昨年の夏に偶然訪れたこの食堂のお刺身と天ぷらがそれはそれは美味しくて、いつかまた食べにきたいと思っていたのでした。

金曜の朝10時半の市場は閑散としていました。
味館食堂のカウンター席にはお客が2,3人。
歯ごたえのあるカンパチのお刺身と、サクサクの天ぷら盛り合わせに一人舌鼓を打ちつつ、今夜からの青森ツアーに思いを馳せたのでありました。

Tenpura

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