« 1300円以内 | トップページ | 研究発表無事終了 »

2014.09.03

たのしいバス旅のために

旅に乗り物は欠かせない。
飛行機。船。鉄道。バス。
それぞれに独特の旅情がある。

この間の週末、気まぐれに青森まで遊びに行った。行きは新幹線。帰りは青森発上野行きの高速バスで帰ってきた。
朝8時に青森駅前を出発。上野到着が夜7時過ぎ。11時間のバスの旅は、車窓の景色をゆっくり眺め、昼食休憩と3度のトイレ休憩で束の間のショッピングを楽しみ、iPadで本を読み、考え事をし、昼寝もして、と、なかなか充実した11時間の旅になった。

青森に出かける2、3日前、テレビ番組で長距離バスの運転手の健康状態が原因で起きる交通事故の話を見た。
体調不良から運転中に意識を失い、事故を引き起こすケースが増えているのだという。

そんな事故に遭遇した乗客の一人の体験談。

高速道路を走行中、突然バスが壁に何度もぶつかりだした。運転席を見ると運転手の体はだらりとして意識がない。
「運転手さん! ブレーキはどれですか!」と乗客が呼びかけるが返事はない。
運転席の足元でブレーキペダルを探すが、どっちがブレーキでどっちがアクセルか自信がない。
そこへ後方の座席の乗客がやってきて、運転手の足元にもぐりこみ、ブレーキを手で押してバスを止め、事故を防ぎ、乗客は命拾いをした。
手でブレーキを押した乗客は宅配便トラックのドライバーだったので、とっさにブレーキを操作できたのだそうだ。

運転手の体調不良が原因の事故は以前からある。過酷な労働条件で慢性的過労から起こる事故に加え、最近増えているのは運転手の高齢化なのだそうだ。
若年層の車離れが目立つようになり、バスやトラックなどの運転手になる若い人が非常に少なくなったという事情があるらしい。

バスの運転手は重労働なだけでやり甲斐のない仕事なのだろうか。

何年か前にあったこの事故を思い出す。

東名高速道路走行中の観光バスの正面を、反対車線を走っていた大型トラックから脱輪したタイヤが直撃。

運転手は即死状態。

しかし、バスは止まり、乗客は全員無事だった。

運転手ブレーキを踏み、サイドブレーキを引いていたから。

タイヤが飛んできて運転席を直撃するまでの数秒間、この運転手は判断力、反射神経、集中力を総動員したに違いない。
彼がいかに優秀だったかという事故後の証言を聞くまでもない。彼は、運転手という仕事に信念とプライドを持っていたのだと思う。

それだけに、あまりにも痛ましい結末に言葉がなかった。

この事故を美談に仕立てて、若者よ、誇りを持ってバスの運転手を目指せ、というつもりはない。

適正な労働条件を整えて、優秀なバスの運転手をもっと増やしてほしい。

青森から11時間の穏やかなバス旅を振り返って、バス旅でお世話になる運転手さんたちのことを考えたのでした。

|

« 1300円以内 | トップページ | 研究発表無事終了 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 1300円以内 | トップページ | 研究発表無事終了 »