« 季節のうつろいの中で・・・たんぽぽライブ11月号 | トップページ | もっと鞭を! »

2014.11.21

おかあさん!

秋晴れのある日。
地下鉄の白金高輪駅の1番出口の階段の上でiPadを開く。

行き先はシェラトン都ホテル東京。
Googleマップを見ると、目の前の大通りを左にまっすぐ、徒歩5分ぐらいらしい。
迷う心配はなさそうだ。

日光を反射してきらきらと光る歩道がまぶしくて、細い目をさらに細めて左方向に歩く。
三叉路の交差点に来た。
迷わずまっすぐ渡ってさらに数分歩いたが、ホテルらしき建物が見えてこない。

おかしいな。

約束の時間が迫っていた。うろうろしている時間はない。
三叉路の手前の角の交番まで戻っておまわりさんに声をかける。


すいません。シェラトン都ホテルはどちらの方でしょうか?


机に向かっていたおまわりさんが出てきてくれた。

「あのね、おかあさん!」

はい、はい。

「そこの大きな信号を渡ってね、右にまがるのよ、おかあさん」

はあ、はあ。

「そうするとね。すぐ左手に見えてくるから、おかあさん」

ああ、交差点を渡ってそのまままっすぐかと思ってたんだけど・・・

「まっすぐ行っちゃだめよ、おかあさん! いい? そこの交差点を渡ったら右に行くのよ、おかあさん!」

わかりました。ありがとうございました。

「気をつけていくのよ、おかあさん!」


おかあさん!を連発しながらのおまわりさんの道案内のおかげで、待ち合わせの時間前にシェラトン都ホテルに到着できた。

それにしても。

おかあさん!と呼ばれたのは初めてだ。
丸顔童顔、年齢不詳的風貌ではあるが、さすがに最近は「お嬢さん」とは呼んでもらえない。
調子のいい八百屋のおじさんあたりはたまに「お姉さん」と呼んでくれる。
ごくまれに「奥さん」と呼ばれることはあるが、そもそも「奥さん」ではないからか、なじめない。


おかあさん!と呼びかける時、その相手に抱くイメージは、いい人なんだろうけれど危なっかしくてほっとけないおばさん、というところだろうか。

おそらく自分と同年配と思われるおまわりさんが連発してくれた

おかあさん!

が、妙にしっくりきて、嬉しくなった秋晴れの白金での出来事でした。


|

« 季節のうつろいの中で・・・たんぽぽライブ11月号 | トップページ | もっと鞭を! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 季節のうつろいの中で・・・たんぽぽライブ11月号 | トップページ | もっと鞭を! »