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2015.01.03

バリアフリー・パズル

お正月三日目。
ママと二人で映画を観にいった。
東銀座の東劇で今日から上映のシネマ歌舞伎「二人藤娘/日本振袖事始め」の二本立て。

20150103_2

暮れにも二人でこの映画館に行ったばかり。
大きなスクリーンに映し出される歌舞伎座の舞台は、映像も音響も素晴らしい。
歌舞伎座で見るよりも細かいところまでよく見えて、なかなかの見応えだ。

あまりにも素晴らしかったので、今日から上映が始まる「二人藤娘」を見にいくことにしたのだが、問題は、東銀座の東劇までどうやって行くか、である。

このあいだはタクシーを使ったのだが、往復9千円余りのタクシー代、毎回は奮発できない。
なんとか地下鉄やバスで行けないものか・・・

東劇の最寄駅は日比谷線と都営浅草線の東銀座駅。
我が家の最寄駅は有楽町線の護国寺駅または副都心線の雑司が谷駅。

最短ルートは、有楽町線で新富町まで行き、そこから徒歩10分で東劇なのだが、この徒歩10分の距離をママと歩くと30分以上かかる。とても歩ける距離ではない。

それに、有楽町線は意外とバリアが多い。
ホームがけっこう深いわりにはエスカレーターが少なく、下りのエスカレーターは一つもない。
階段は上るのも大変だが、杖をつきつき歩くママには、115段の階段を降りるのも辛い上に危険である。
地上に通じるエレベーターまでは、ママの足だと我が家から30分近くのところにある。そこまで歩くだけでくたびれ果ててしまうだろう。

有楽町線は駄目だな。
ということは副都心線だ。
最寄の雑司が谷駅まで徒歩7分、ママの足で20分ほど。
普段の買い物で歩き慣れているルートだから負担感もあまりなさそう。
新しい路線だけあって、地上からホームまでエレベーターとエスカレーター完備。

問題は東銀座までのルートだ。
iPadで検索すると、雑司が谷から副都心線で新宿三丁目→丸の内千に乗り換えて銀座←日比谷線に乗り換えて東銀座というルートが出てくる。

乗り換えはどうだろう?
新宿三丁目の乗り換えは歩く距離もとても短くて便利である。
しかし、二度目の乗り換えの銀座駅は駅の構造が複雑そうだ
それに私自身が銀座駅をよく知らないので、表示を見ながら行くことになる。
弱視の私が単眼鏡で乗り換えの表示を見ている間に、ママはふらふらとどこかに歩いて行きかねない。見失ったが最後、弱視の私にはママを探すことはできないし、迷子のママは銀座から一人で帰ってくることができない。

銀座の乗り換えは私がまず予行演習をしてからでないと無理。今回は使えない。

では、どうやって日比谷線の東銀座に行けばいいのだろう?

日比谷線、日比谷線、日比谷線・・・

そうだ! 中目黒で乗り換えればいいんだ!
一見、逆方向のような気がするけれど、副都心線と直通の東横線で中目黒まで行って、日比谷線の始発に乗ればいいんだ!
中目黒はエスカレーター完備のはずだし、乗車時間もそれほど長くない。

11時。我が家を出発。
私の足なら7分で着くところをママと二人で20分、ゆっくりゆっくり歩いてエレベーターとエスカレーター完備の雑司が谷駅に到着。

杖をつきつき歩くママと初めて副都心線に乗った時、私は当然のごとくエレベーターに乗ったのだが、実はエスカレーターの方がママには快適であることがすぐにわかった。
エスカレーターという乗り物は、乗客を上下に運ぶだけでなく、乗客を前にも運んでくれる。
一方、上下運搬機能しかないエレベーターは、降りてからかなりの距離を歩かなければならず、杖をつきつきのママにはこの距離がかなりの負担なのだ

かくして、長い長いエスカレーターで地下4階のホームへ降りて、東横線直通の副都心線に乗りこむ。
暖かい座席に座るとママは居眠り開始・・・

11時35分、中目黒駅着。
エスカレーターを降りて、隣りのホームのエスカレーターを上って、日比谷線に乗り込む。
恵比須や六本木や霞が関を通って、8つ目の東銀座駅下車。

東銀座駅から東劇方面に出るには、歌舞伎座直通のエスカレーターを使うとバリアフリーなのだけれど、ここを通るわけにはいかない。
歌舞伎座に行ってしまったら、「藤娘を見るのなら歌舞伎座に決まってるでしょ!」とママがダダをこねるに決まってっるから・・・

というわけで、歌舞伎座方面のエスカレーターをあえて避けて、ホームの端のエスカレーターで小さな改札口へ。
そして、本日最大の難所、6番出口の50段の階段下に到着。
さてさて、ママは上れるかなあ・・・
心配する娘を後目に、ママは杖の力を借りてえっちらおっちら上りきった!

6番出口を出て万年橋を渡れば、立派になった歌舞伎座のはす向かいの映画館、東劇はすぐそこ。

上映開始時間の40分も前に東劇に到着してしまった二人は、ロビーのふかふかのソファーでひと休み。

玉三郎演じる藤娘のあでやかな映像を堪能しつつ、暖かくて座り心地満点の座席で母娘で代わりばんこに居眠りしつつ、90分ほどのシネマ歌舞伎を楽しんだ。

帰りの東横線は混んでいて、中目黒から渋谷まで立ちっぱなしのママがちょっとかわいそうだったけど、帰りもなんとか地下鉄で帰ってこれた。

お出かけ大好きなママ。
杖をつきつき歩けるうちには電車やバスのお出かけが楽しみのようだ。
ママがたどれるルートを発見すべく、今年もバリアフリー・パズルへの挑戦が続きそうだ。


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