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2015.03.23

見果てぬ夢~サンバに恋した20年 その5

サンバのセンセーの初レッスンで、ただ一つ知っているサンバの歌、「トリステーザ」を歌った。

ももこ:ラヤラーヤ♪
センセー:違う!
ももこ:ラヤラーヤ♪
センセー:違う!

もー、何が違うって言うのよー!!!
違いがわかるまで通い詰めてやる~!!!

そして、レッスンに通い詰めること数回めにして、
センセーの言わんとすることがおぼろげながら見えてきた。

サンバは2拍子。
つまり、16分音符が8個で1小節。

トリステーザの出だしの「ラヤラーヤ」を、私はこのように歌っていた。

|●●●● ●●●●|●●●● ラーヤー|ラーーー ーーーー|ヤーーー ----|
(●は16分休符。ラ、ヤ、-は16分音符です)


同じ「ラヤラーヤ」をセンセーはこのように歌う。

|●●●● ●●●●|●●●ラ ーヤーラ|ーーー ーーーヤ|ーーーー ----|

私は、8分音符の頭で「ラヤラーヤ」と歌っていたのだが、
センセーは、八分音符の裏で歌う。
しかも、裏と言っても、後ろにずれるのではなく、前に食い込むのだ。

センセーはこう解説してくれた。

「ブラジル人は裏で歌うんだよ。ふつうのブラジル人がふつうに歌うとこうなるの。
 これを頭で平らに歌っちゃうと、サンバにならないでしょ!」

裏、しかも前にずれた裏で歌う。
ベチ・カルヴァーリョのお手本を改めて聞いてみると、確かに出だしの「ラヤラーヤ」は16分音符1個分前に食い込んでいる。
ベッチの歌を何度も聞いていたはずなのに、16分音符1個分のずれというのがあまりにも速くて、センセーの解説を理解するまで、私はその「食い込み」にまったく気がつかなかった。

後にギターも教わるようになると、この16分音符1個分の食い込み現象は、サンバギターの標準的な弾き方でもあるのだと教えられた。
つまり、拍の頭でコードチェンジするのではなく、16分音符1個分前に食い込んだタイミングでコードチェンジする。
それを譜面に書くと、タイを使ったシンコペーションの譜面になるのだけれど、シンコペーションしているというよりも、歌と同じく、16分音符1個分ずつ前に食い込んで進んでいく弾き方ということらしい。

サンバのリズムに体がふわりと浮くのは、それなりの仕掛けがあったんだ!

私は、すっかりサンバのリズムの秘密の虜になってしまった。
来る日も来る日も、16分音符1個分前に食い込む歌い方を練習した。
”トリステーザ"を最後まで歌わせてもらえた後も、センセーのレッスン通いはやめられなかった。


♪ ♪ ♪ ♪ ♪

ギター&ボーカルのトッキーニョと、イパネマの娘など多くのボサノヴァの詩を書いたヴィニシウス・ジ・モライスが二人して歌うトリステーザ。

「16分音符1個分前に食い込む」というのはあくまで基本であって、実際には崩した歌い方をした結果、頭で歌っているということも少なくない。


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