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2015.04.26

「代行」考 その6

 「飲酒時の運転代行については
  1980年頃に秋田県で発祥したといわれている」

この何とも曖昧なウィキペディアの一文にいらいらし、
この一文があちこちのサイトにコピペされるのを見て腹を立て、

  それなら私が日本の運転代行業誕生の瞬間を
  突き止めてやろう

秋田県公安委員会の「秋田県自動車運転代行業者一覧」なる資料を見つけ出すと、
よし!この一覧に載っている329業者に
片っ端から電話をかけて、聞いていくぞ!

  「お宅は何年から営業してらっしゃいますか?」

パソコンの横の電話の子機に手を伸ばしかけた時・・・


 落ち着きなさいってば!


という声が聞こえた。


 落ち着きなさいってば!
 日本の運転代行業界史でも書くつもり?


いやいや、そうじゃない。
そうじゃないけど・・・あれ?
何を書いていたんだっけ・・・?


 チャールズおじさんの話でしょ?


あ、そうだった!
チャールズおじさんは、なぜあの時、代行を頼まなかったのか?
それを考えていたんだった!

日本の運転代行業誕生の瞬間を突き止めるなどというとんでもない横道からようやく抜け出して、話の本筋に戻ってみると、運転代行の始まりの図が何となく見えてきた。

つまり・・・

1970年の道路交通法改正で
酒気帯び運転の取り締まりが厳しくなると、
最初は個人のアルバイトや副業として始まった
自家用車の運転代行サービスに
次々と業者が参入し、
80年代以降急速にその数を伸ばしていった。

ということは・・・

アメリカで、「飲みに行くなら、運転手役を決めてから」というキャンペーンが始まった1988年には、
日本にはすでに運転代行業がかなり普及していたということ。

運転代行サービスについていえば、日本は、アメリカよりも20年は先を行っていたということになる。

では、アメリカの運転代行サービスは、どの程度普及しているのだろうか?

そして、チャールズおじさんは、なぜ代行を頼まなかったのだろうか・・・・?

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2015.04.20

Waveを歌いながら・・・

Wave

  聞かせて あふれ出るメロディ
  歌はあなたの息遣いそのもの
  風になって 私の体を吹き抜けてゆく・・・


この歌の文句の通り、
彼のフルートは
私の体を吹き抜けていった。

風のようなフルートを奏でる彼は
私と同じ、弱視という障害を持ちながら、
健常者の中で、誰にも苦労を打ち明けられず
孤軍奮闘の人生を歩んでいた。

  
  歌って 心の向くまま
  五線紙破り捨て 海に流して
  ときめきと涙を 
  あなたの吐息にのせて・・・


見えづらさを抱えて生きるのは、見かけ以上にしんどいものだが、
一見軽やかで、ひょうひょうとした彼のライフスタイルは
彼の本当のしんどさのカモフラージュだったかもしれない・・・


  寄せて返す 波の向こうで
  あなたは何を 感じたの?


ブラジルの音楽を愛した彼は
単身、リオへ旅立つ。

そして、不慮の事故・・・
二度と帰ってこなかった。


  もう一度
  ここへ来て 歌って!
  描きかけのキャンパス、
  水彩画、夢の続き
  あなたの音色で描いて見せて・・・


   Wave~替え歌 by Momoko

・ ・ ・ ・ ・ 

今夜、友との小さな集いの中で
この歌をうたいました。
喉を傷めて2か月近く。
歌えない孤独と不安の日々。

今夜、久しぶりに
友のガットギターを借りて
この歌を歌いました。

いい音を愛する友が整えてくれたシンプルな装置の前で
久しぶりに、心おきなく歌うことができて、

嬉しくて、
しあわせで、
泣きそうになった。

そして、

単身リオに旅立ったフルート吹きの友人の
旅立たずにはいられなかったその心情と苦悩を想い、
風のように吹き抜ける彼のフルートの音色を想い

また涙があふれそうになりました・・・

喉が治ったわけではありません。
治るめども立ちません。

だけど、

そんな不安も心配も忘れて  
感情のおもむくままに歌いました。

そう、

歌は、私の息遣いそのものだから

今夜うたえたことは
一瞬の奇蹟かもしれない。

それでもいい。

涙をこらえながら
想いのままに歌うことができた
今夜の友との集まりの中の数分間は
私の大切な、たいせつな宝物になったから。

20150419jiji


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春の陽射しと音楽であったまりました~たんぽぽライブ4月号

明るい陽射しに恵まれた4月の第三土曜の午後。
たんぽぽライブ4月号でした。

今回は、寒い日が続く中待ち焦がれていた明るい春の陽射しの午後にぴったりの
さながら、ゆったりと「音楽浴」という趣のライブになりました。

オープニングアクトのももこさんは、喉を傷めて歌えないのでピアノを弾きました~エリーゼのために~お耳汚しで失礼いたしました~~

一番手のこころばのお二人。
じょんくんのギターソロと、ぼんちゃんの深い声、そして二人のハーモニーで始まるこころばサウンドは、聞く人をぐいぐいと惹きつけます。今回は、「レインスティック」という楽器を披露してくださり、たんぽぽの店内にさらさらと小川が流れるような癒しのサウンドでした。

田中奈緒美さんのアコーディオンはたんぽぽの空間に気持ちよく響きましたねえ。歌のないアコーディオンソロ演奏だけれども、田中さんの歌心が伝わってきました。曲目解説もわかりやすくて、アコーディオンでイタリアやフランス、ドイツといろんな街に連れていってもらった気分♪

なつめのお二人のパーフォーマンスに、、みんなニコニコ顔。興味津々で、身を乗り出して見て、聞いていましたね! えにしさんの歌のきっぷの良さ。パーカッションのよっちゃんの絶妙のサポートと秘密兵器(笑)。楽しかった~

小堀有美さん。ご自身のオリジナル曲はもちろん、カバー曲も、徹底的に自分の体と感性で消化し、昇華させた演奏。今回も魅力迫力満点の歌とピアノを聞かせてくださいました。いつもながらお話少な目のライブですが、歌で表現しきるそのスタイルで聞く人を飽きさせないところ。さすがです。

ここで飛び入りのスズキタクヤさん登場。たんぽぽライブ出演者募集の案内を見てお問い合わせをいただいた方です。
スタンディングでのアコギ弾き語りで、歌い続けようというメッセージを込めた一曲を聞かせてくださいました。一陣の風のような演奏でした。

そして最後はギター男子LINDAさんとピアノ男子すーさんのCELLのお二人の登場。このところますます好調のすーちゃんのトーク。今回はアニメにおける楽器演奏場面の描写と音の一致、不一致という超マニアックでいて興味深いトークでした。それにしても、お二人のライブって、一曲聞き終わるごとに「ほーっ」と満足のため息をついてしまいますね。

毎月のたんぽぽライブは、その日の出演者と、聞きに来てくださる方々の顔ぶれにより
色合いや雰囲気が変わるような気がします。

そこがまた、たんぽぽライブの魅力かもしれません。

5月号は、4月号とはがらりと雰囲気が変わる予感がしますよ。
5月16日の土曜日の午後です。

お楽しみに♪

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2015.04.17

「代行」考 その5

子供のころ、父に連れられて田舎に行くのが楽しみだった。

田舎は、上野駅から急行列車で2時間あまりの茨城県の日立。
財布の紐が硬い母が一緒だと都電と国電を乗り継いで上野駅に行くのだが、見栄っ張りの父は上野駅までタクシーで行く。
大通りで手を上げてタクシーを止める父の姿に「大人だなあ」とドキドキし、乗り込んだタクシーの独特の匂いを嗅いでは「自動車ってすごいなあ」とわくわくする。
タクシーに乗りこむところから始まる父との旅は、子供ごころにスペシャルなお出かけだった。

二十歳になったころのことである。
何年かぶりに日立に暮らす叔父一家を訪ねていった。
日立駅に降り立つと叔父が車で迎えにきてくれたのには驚いた。交代制勤務の工場で働く叔父は、車がないと通勤が不便で最近免許を取ったのだと言う。

その叔父が運転する車に乗せてもらって親類の家に行くと、その家の横には車が2台あって、またまたびっくり。
「お父さんと息子がそれぞれ仕事に行くのに乗るから2台いるのよ」と説明してくれるおばさんは、自分でも運転してスーパーに買い物に行くそうな。

私にとってはスペシャルな乗り物である自動車を「お父さんに一台、息子に一台」所有し、まるで自転車を乗り回すようにすいすいと運転する田舎のおじさん、おばさんの姿に、なんだか差を付けられちゃったような気がしたものだ。

乗用車が急速に普及していった70年代後半のころの話である。
長年の東京暮らしでマイカーには無縁の我が家だったが、都内からちょっと外に出れば、そこはすでに車社会だったのだ。
一人に一台パソコンを持つのが当たり前のように、一人に一台、文字通り「マイカー」を持つことがさほど珍しくないほどの普及率。

当時、「新三種の神器」とか「3C」と呼ばれていた「クーラー」「カラーテレビ」「カー」。
車社会の街ではカーとカラーテレビが一挙に家庭に入り込んできたのだろう。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

日本で運転代行サービスが本格的に始まった背景にはマイカーの急速な普及があったことは間違いない。

では、運転代行いつ、どこで、どのようにして始まったのか?

ウィキペディアには「1980年に秋田で始まったと言われている」と書いてある。
そして、あちらのサイトもこちらのサイトもウィキペディアのこの一文をコピペしている。

しかし、秋田の何と言う会社が代行業を始めたのかという経緯が見つからない。

そこで、独自調査を開始した。

・ ・ ・ ・ ・ ・

代行サービスがビジネスとして成り立つほど需要が高まったとすれば、それは酒気帯び運転の罰則が厳しくなったからではないだろうか?

そこで、道路交通法の改正の歴史をさかのぼってみると・・・

酒気帯び運転は、昭和8年の内閣自動車取締令の中で初めて法律に定められた。

この法令にはこう書いてある。


 第六十二条
 運転者ハ酒気ヲ帯ビテ自動車ヲ運転シ
 又ハ 運転中喫煙スベカラズ


この時代には、今のように飲酒運転と酒気帯び運転の区別はない。
とにかく「飲んだら乗るな」ということだったらしい。

そして、なんと、運転中の喫煙まで禁止だったというのだから驚きだ。
酒気帯びも、喫煙も、拘留または科料という罰則がついている。
戦前のドライバーは品行方正な紳士でなければならなかったようだ。


ところが。

この法律は、戦後、まさか!の方向転換をしてしまう。

昭和22年の交通取締法第7条では、


 「酒に酔いその他正常な運転が
 できない虞があるにかかわらず、
 諸車又は軌道車を運転すること。」
 

を禁じている。

ここで注目すべきは「酒に酔い」という表現。

「酒に酔って運転」とは飲酒運転のこと。
つまり、飲酒運転は禁止だが、酒気帯び運転はおとがめなしというルールに変わったのだ!
この「酒気帯び運転オーケー」という、今では信じられないような法律は、何と、昭和45年の道路交通法の大幅改正の時まで生き続ける。


昭和30年代から、自動車の保有台数が右肩上がりに増えるのと同時に、交通事故が多発するようになる。
「交通戦争」という言葉が生まれるほどに事態は深刻だった。
その対策の一つとして、道路交通法が大幅に改正されることになる。

昭和45年に改正された道路交通法は、次のような状態になったら逮捕されますよと言っている。


 第65条(酒気帯び運転等の禁止)
 ・・・車両等(軽車両を除く。)を運転した者で
 その運転をした場合において
 身体に政令で定める程度以上に
 アルコールを保有する状態にあつたもの

こういうけしからんことをする者は


 第119条
 3月以下の懲役又は3万円以下の罰金に処する。


これでようやく昭和8年の内閣自動車取締令の取り締まりのレベルに戻ったというわけだ。
(運転中喫煙禁止の項目は廃止されてしまったけれど・・・)

しかも、昭和40年代ともなれば、呼気中のアルコール度を測る装置も進化している。

かくして、

飲酒運転、酒気帯び運転の取り締まりが強化され、

マイカーで夜の街に繰り出していた人々は、

「行きはよいよい、帰りはこわい・・・」という状況に置かれることになり、

ここで・・・運転代行業者登場!


しかし・・・代行業者第一号はどこだったのか?

本当に秋田が発祥の地だったのか?

独自調査はまだまだ続く・・・・


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


道路交通法についてはこちらのサイトを参照させていただきました。

「日本における道路交通法規の変遷」
http://members.jcom.home.ne.jp/kinmokusei/jpn_law/history.html









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2015.04.15

たんぽぽライブ4月号でお会いしましょう♪

はーるよ、来い♪
ほんとに、来い♪

と、歌いたくなりますねえ。
ぽかぽかの春の日差しが
長続きしてくれない、今年の春・・・

でも、だいじょうぶ。
西立川の喫茶たんぽぽは
ぽっかぽか、春満開。
今週の土曜日は、たんぽぽライブ4月号。
美味しいメニューと、美味しい音楽で春を満喫いたしましょう♪


音楽のお品書き・・・

アコースティックギターのイントロからその世界に引き込まれてしまいます。こころばのお二人のハーモニーに吸い込まれてしまいます。そして、歌の合間に笑わせていただけます♪

アコーディオンって、こんなにいろんな表現ができるんだ~~クラシックな曲からポップスまで、音楽とアコーディオンへの愛をこめて演奏する田中奈緒美さん、たんぽぽライブ初登場♪

白黒テレビを見てるような、懐かしくも楽しいえにしさんの弾き語りに、パーカッションの相方さんと二人でどんな世界を見せてくれるか、楽しみです♪

ピアノと歌で描き出される広々とした世界。ライブを重ねるごとに歌とピアノに深みが増していくきょうこのごろの小堀有美さん。お聴き逃しなく~

すーちゃんのピアノと、LINDAさんのギターと、お二人のハーモニー。めぐりゆく季節を歌うCELLのライブ。ゆったりとコーヒーをいただきながら耳を傾けましょう。


音楽は無料です。
喫茶たんぽぽの美味しメニューをあれこれご注文くださいね。
土曜日限定の牡丹餅は超オススメ♪


♪ ♪ ♪ ♪ ♪

たんぽぽライブ4月号
4月18日(土) 13:30~

西立川 喫茶たんぽぽ

20150418tanpopo

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2015.04.14

「代行」考 その4

すっかり酔っぱらってマイカーで帰れなくなって、奥さんに迎えに来てもらったチャールズおじさんは、その後、ますます奥さんに頭が上がらなくなったようだ。

代行を頼んでいれば、おじさんの威厳を保てたかもしれないのに・・・

もしかして、アメリカには運転代行サービスはないのかな?
そもそも、「代行」って英語で何て言うんだろう?
代わりに運転するんだから・・・Substitute driverかな?

検索してみると、たしかにsubstitute driverとも言うのだが、もっと普通の言葉は、designated driverというらしい。

Designated driver = 指名された運転手

このdesignated driverという難しげな言葉。
実はアメリカ人の間でかなり浸透しているらしい。

なーんだ。アメリカにもちゃんと代行サービスがあるじゃないの。

しかし。

さらに調べてみると、アメリカ人なら誰でも知っているらしいdesignated driverという言葉から多くのアメリカ人が思い浮かべるのは、運転代行とはちょっと違う習慣のことらしいのだ。

・ ・ ・ ・ ・ ・ 

どこに出かけるにも車、という町に住んでいたら、何人かで飲みに行く時には帰りの運転をどうするかが問題になる。

マイカー通学をしている北陸の大学生に「飲みに行く時はどうするの?」と聞いてみたことがある。
彼女は、「飲むなら朝まで!が基本です!」と答えてくれた。
通学には車を使うが、飲みに行く時はバスか何かで行って、朝まで飲んで、始発の電車やバスか歩きで帰る。学生さん達にはタクシーや代行は高くつくからだろう。

一方、アメリカの学生たちは「朝まで飲んで電車やバスで帰る」というわけにはいかない。
何しろ電車もバスも走っていない街は珍しくないのだから。

その結果アメリカでは若者の飲酒運転による交通事故が深刻な社会問題になる。
これを何とかしようと始まったのがdesignated driverというキャンペーンだった。


  運転手は君だ♪
  飲むのは僕ら♪
  店を出たらば、僕らを乗せて♪
  安全運転で送るんだ♪
  それが今夜の君の役目♪


仲間から選ばれたその夜の運転手役。
飲みにきたのにお酒は飲めず、深夜に仲間を家まで送っていく役目。
それがdesignated driverというわけだ。

1988年にハーバード大学で始まったというこのdesignated driver運動は、マスコミを巻き込んだ一大キャンペーンになり、
その結果、designated driverという言葉はアメリカ人にかなり普及した。

では、designated driverは飲酒運転防止にどれだけ効果があったのか、というと・・・

Urban Dictionaryという投稿サイトがある。
言葉の定義を自由に投稿する、いわば、「みんなの辞書」。
このUrban Dictiionaryのdesignated driverのページを見ると・・・


1.designated driver:
the one in the group who must drink the least for the night
(その夜、仲間うちでいちばん少ない量のアルコールを飲む人)
Tron was the designated driver because he only had 4 shots of tequila.
(トロンはテキーラを4杯しか飲んでないから、彼が今夜のdesignated driverだな)

2.designated driver:
At the end of the night, this is the person who is least drunk and still willing to drive.
(飲み終わった時点でいちばん酔っ払っていなくて、運転する気がある奴。)
Tom-who's the designated driver?
Sam-Bob you drive'n?.. (gives him a push and he falls over)
Sam-haha (takes Bob's keys and throws them to tom)
Tom- (catches the keys=good to drive) Alright.
トム:designated driverは誰だ?
サム:ボブ、お前は?(身体を押されたボブはよろよろと倒れる)
サム:ははは(サムはボブの車のキーをトムに投げる)
トム:(キーを受け取ると)わかったよ。

3.designated driver:
A habitual drinker who is immune to the effects of alcohol.
アルコールに免疫のある依存症的酒飲みのこと。
Good thing our designated driver has only had 10 shots because I'm fuckin wasted!
俺は酔っ払っちまったけど、我らがdesignated driverさんはまだウィスキー10杯しか飲んでないから安心だ!


というような投稿が並んでいる。
一緒に飲みに行ったのに、一人だけコーラやオレンジジュースで通して、
最後には酔った仲間を送っていくなんて、ほとんど実践不可能な話ではある。

しかし、designated driver運動は無駄ではなかった。
「飲まない運転手役」を仲間うちで決めるのは土台無理だとなり、
有料のdesignated driverがいればいいのに、という需要が起こり、
designated driver サービスを提供する業者が全米各地で営業を始めたからだ。

こうして、designated driverは、「その夜の運転手役」から、有料の運転代行サービスを指す言葉になったのだった。

・ ・ ・ ・ ・ 

でも・・・

あの時、チャールズおじさんはdesignated serviceを呼ばなかった。
レストランの店員も、カーサービス(車で呼ぶタクシー)はすぐ呼んでくれたが、「運転代行、呼びますか?」とは聞いてこなかった。

そういえば、ニューヨークに暮らした1年あまり、運転代行というサービスを一度も聞いたことがなかったなあ。

日本の友人達が時々言うセリフ、「友達と飲みに行って、代行を呼んで帰った」とというセリフを、ニューヨークの人々から聞いたことがなかった。

なぜなんだ?
気になって仕方がない私は、今度は日本の代行サービスの歴史を調べてみた。

そして、日本という国を少なからず見直してしまったのだった・・・


《つづく》

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2015.04.10

「代行」考 その3

「酔っぱらっちまったよ」

おじさんは言った。
きっと今夜はお酒を飲みたい気分だったんだね。

だいじょうぶ、だいじょうぶ。
カーサービス(電話で呼ぶタクシー)で一緒に帰りましょう。

「車で帰らなっきゃ」

何言ってんの、おじさん。
運転できないでしょ?
車はここに置いて、カーサービスで一緒に帰りましょ。

「車がなきゃ、明日の朝仕事に行けない」

だから、今夜はカーサービスで帰って、明日の朝、車を取りに来ればいいじゃない?

「車を置いていくわけにはいかないんだ」

おじさんの車はレストランの前の道路のパーキングメーターに停めてあった。
パーキングメーターに車を一晩置きっぱなしにすると、65ドル程度の罰金がかかるらしい。
65ドルは痛い出費だけれど、いたしかたないではないか。
お酒、飲んじゃったんだから。

「どうしよう・・・」

だからー
カーサービスで一緒に帰ろうってば!

ここで私はようやく気がついた。
おじさんと車は切っても切れない仲なのだ。
通勤はもちろん、買い物も、用事も、遊びも、どこに行くのも車。
電車やバスやタクシーにはまず乗らない。
(おじさんは地下鉄の切符の買い方を知らなかった!)
マイカーを手に入れて以来、自分の足で3分以上歩いたことはないに違いない。
車を一晩店の前に置きっぱなしにして、翌朝タクシーで戻ってくるとか、ましてやバスを乗り継いでこの店に戻ってくるなんて、おじさんにはあり得ない話なのだ。

しょうがないなあ、車人間は!
じゃあ、どうするのよ、おじさん??

おじさんは奥さんに電話した。

「酔っぱらっちまったんだよ」

「信じられない! 何やってんのよ、あなた!」

テーブルの向かい側にいる私にまで奥さんの声が聞こえてくる。

「酔っぱらっちまったんだよ」

「迎えに来いって言うの? 何時だと思ってんのよ!」(11時過ぎだった・・・)

「酔っぱらっちまったんだよ」

「どこにいるの?」

「ここはどこだい?」
おじさんは、店の人が言う住所をおうむ返しに奥さんに伝える。


20分後。
奥さんが店に入ってきた。

「チャールズ! チャールズ! どこにいるの??」

チャールズおじさんは男子トイレでお取込み中であった。
男子トイレにずんずん入っていった奥さんの声が店中に響く。

「しっかりしなさいよ! まったくもー!」

しばらくして、酔いで真っ青の顔のおじさんと、怒りで真っ赤な顔の奥様が戻ってきた。
店の前の車で大学生のお嬢さんが待っていた。
おじさんは、奥さんとお嬢さんが乗ってきた車に乗り込む。
奥さんは、おじさんの車に乗り込む。

こうして、飲みすぎて運転できなくなったおじさんは、「家庭内運転代行サービス」のお世話になって帰っていったのだった。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

もし、私があの時、代行サービスのことを知っていたら、ためらいなく代行を頼んでいたと思うのだが。
では、なぜおじさんは「代行」を呼ばなかったのだろう?
家庭内代行サービス以外の方法を思いつかなかったのだろう?

もしかして・・・
ニューヨークには「代行」というサービスは存在していないのか?

そこで、ニューヨークの「代行」事情を調べてみた。
そして見えてきたことは、日本とはだいぶ違うアメリカの代行事情だった・・・


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2015.04.07

「代行」考 その2

2010年の秋から一年あまり、私はニューヨークに暮らしていた。

東京ではあちらこちらのライブハウスに行っては弾き語ったり、友人たちとお喋りしたりという音楽三昧の日々を送っていた私のこと。
オープンマイク(アマチュアミュージシャンが誰でも参加できるライブイベント)の「本場」、ニューヨーククに住んでいるのに、アパートでじっとしていられるはずがない。

アメリカ生活に少し慣れたころから、オープンマイク開催情報をネットで調べては、ギターを抱えてあちらこちらのライブバーやカフェに歌いに行った。

自分の出番で歌ったり、皆の演奏に聞き入ったり、その合間に参加者達とお喋りしたり。
楽しい時間はあっという間に過ぎていき、気がつけば12時近くになっていて慌てることになる。

東京であれば、12時過ぎの電車に乗って、駅からの夜道を一人で歩いて帰ってもまず心配はいらない。電車が動いている限り、安心して夜遊びできる。

しかし、ここはニューヨーク。
地下鉄やバスが24時間走っているとはいえ、深夜に一人で地下鉄に乗ったり、バス停で20分、30分とバスを待つのは怖い。

マンハッタンならば24時間黄色いタクシーが走っているが、私が暮らしていたのはニューヨーク市の郊外のクウィーンズというエリア。遊びにいくのもこのエリア内が多かった。

クウィーンズには流しのタクシーは走っていない。
そのかわりにカーサービス業者がたくさんあり、電話すればすぐに車が来てくれる。
帰りが遅くなった時は、お店に「カーサービスを呼んでください」と頼めばいい。

ただし、カーサービスの車はたいていカーナビを積んでいないので、アパートまでの道順を英語で説明しなければならず、これはこれで深夜の大冒険になるのだが。

では、オープンマイクに集まったアメリカ人たちはどうするかというと。
地下鉄で帰る人は、やはり11時には店を出るようだ。

遅くまで残っているのは車で来ている人たち。

ライブバーやカフェはアルコール類を出す店だ。
車組はお酒を飲まないかというと、そんなことはない。
ワインやビールを1、2杯注文することが多いようだ。
それでも帰るころには酔いも覚めて(たぶん)、安全運転で(たぶん)我が家へ向かう。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

しばらくあちらこちらのお店のオープンマイクめぐりをするうちに、馴染みの店ができてくる。
アパートからバスと地下鉄を乗り継いで1時間ほどのところにあったその店に何度か通ううちに、クラシックギターを弾くおじさんと毎回のように顔を会わせるようになった。
私が弾いている楽器もクラシックギターなので、おじさんと私は自然と話が合い、そして、たまたまおじさんの家が私のアパートの近くだったので、そのライブハウスの帰りはおじさんの車で送っていただくのがお決まりのコースになった。

そして、この紳士なおじさんにはライブハウス以外でも大変お世話になった。
楽器屋やコンサートに連れていっていただいたり、ハリケーンがニューヨークを直撃した時は小型ラジオや懐中電灯を貸していただいたり。
奥さんと大学生のお嬢さんと一緒に何度もレストランで食事をご一緒したりもして、家族ぐるみのおつきあいをさせていただいていた。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

それは、日本から友人が遊びに来て、私のアパートに何日か泊まっていた時のこと。
「ももこの友達と一緒に食事に行こう」とおじさんが誘ってくださり、おじさんと、私の友人と私の3人で、アパートから車で30分ほどのところにあるコリアン・タウンにおじさんの車で連れて行っていただいた。

3人の楽しいお喋り。美味しい食事。
おじさんはいつになく上機嫌で、普段はそんなに飲まないお酒を、その夜は何杯もお代わりする。


そして・・・


《つづく》


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2015.04.06

「代行」考 その1

友人のブログを何気なく読んでいた私は、次のくだりに思わず目が留まった。

「友達と飲んで、代行を呼んで家まで帰った。」

代行を呼んで・・・

ありふれた日常の一コマとしてさらりと書かれているこのくだりが、
私にはとても珍しく、新鮮に見えた。

「友達と飲んで、代行を呼んで家まで帰った」

この言い回しから、
車が主な移動手段となる地域では、「代行」はかなり普及したサービスらしいことが伝わってくる。

代行とは自動車の運転代行サービスのことだと知ったのはわりと最近のこと。
主にお酒を飲んで自分の車を運転できなくなった人が利用するサービスらしい。
車にもお酒にも縁がない私は、世の中にそんなサービスが存在するなんて全く知らなかった。

具体的にはこういう仕組みらしい。

20150406daikou

依頼を受けた代行ドライバーは、二人一組で随伴用自動車にて依頼主が待つ現地に出動。
一人は依頼者の車を依頼者を乗せて運転し、もう一人は随伴車で伴走。
目的地に着いて依頼者を降ろすと、二人のドライバーは随伴用自動車で会社に戻る。

何て合理的なシステムなんだろう!
私は少なからず感動してしまった。

けれど・・・

ふと、疑問が沸いたのです。

こんな便利なサービスがあるのに、
彼は、なぜあの時、代行サービスを呼ばなかったのだろう?


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2015.04.02

明日はモモミナちゃんライブ@荻窪アルカフェ

ももこ:モモミナちゃん、さっきから何をゴニョゴニョ呟いてるの?

モモミナ:明日、アルカフェでボサノヴァ歌うことになってさあ! 

ももこ:え? 明日はMomokoさん復活ライブじゃないの?

モモミナ:それがさあ。この間、耳鼻科に行ったら「全治4週間」って言われたらしいよ。まだまだ歌えないんだって。

ももこ:そうなんだ・・・でも、モモミナちゃん、ボサノヴァ、歌えるの?

モモミナ:まっかせなさーい!Momokoさんの歌、年がら年中聞かされてるからねー

ももこ:でも、モモミナちゃんの得意な歌もうたうんでしょ? ほら、この間、農家でやってたみたいな?

モモミナ:ノン、ノン! あんなことやったらMomokoさんに怒られるよ!

ももこ:でも・・・ボサノヴァだけで20分持たせられるの?

モモミナ:もっちろん! 歌とトークでみんなをリオに連れてっちゃうもんね!

ももこ:気合だけはすごいね・・・ま、がんばってちょうだい。


♪ ♪ ♪ ♪ ♪


モモミナちゃんライブ@アルカフェ・ギターナイト
4月3日(金) 19:30~
荻窪アルカフェ
http://alcafe.incoming.jp/

19:30-19:50 オルゴリズム(Vo/Cho,Gt)
19:50-20:10 きんや(Gt)
20:10-20:30 Momoko(Vo,Gt)
(20:30-20:50 休憩)
20:50-21:10 中野雄太(Vo,Gt)
21:10-21:30 NAOYA(Vo,Gt)
21:30-21:50 修兵(Vo,Gt)

チャージ500円+ドリンクオーダー

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