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2015.07.30

暑い日は浮かない

この間の日曜日の調布飛行場の小型機墜落事故のニュースには本当に驚いた。

その墜落事故について、お天気キャスターの森田さんがTBSラジオで語っていた。

飛行機の揚力(浮く力)と気温の関係についての理路整然、明快な解説に「耳から鱗」

森田さんの気象スペシャリストぶりに感動したので、コーナー前半の飛行機と気温の関係についての部分を文字起こししました。

一緒にお勉強しましょう!

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

TBSラジオ森本毅郎スタンバイ! 7月29日放送
「小型機墜落の原因は/また台風が来る?」
ゲスト:森田正光(お天気キャスター)

森田:日曜日の昼前の小型機墜落事故。あの時暑かったですよねえ。火災が物凄い勢いで広がってました。あれは縦に炎が広がっていて風が弱かった。もし風が強かったらもっと大きな火事になってた。
飛行機が落ちた時に、一瞬、この暑さがひょっとしたら関係してるのかなと頭をよぎったんですよ。

なんでかと言うと、実は、飛行機、特に軽飛行機っていうのは気温がけっこう重要なんですね。
今から3年前、2012年7月に、カナダでバーモン空港、西の方にある空港なんですが、そこで小型機が飛び立って、やっぱり離陸直後に近くの運動場に墜落したんですね。
この時も気温が高くて33℃ぐらい。
その後の調査で、どうも気温が高かったからじゃないかというようなことが言われたんですね。

森本:今回のあの日は?

森田:34℃です。実際に滑走路のあたりはもっと上がってます。直接日光が当たってますからね。40℃だとかそれに近くなってると思うんですけど。

森本:なんで暑さに弱いんですか?

森田:これは揚力、浮く力ですね。揚力が小さくなるんですね。
空気というのは密度がありますね。この密度が少ないと揚力が上がらなくて、密度が濃いと、密集してると、わりと上がりやすい。

海で言うと、死海ってありますね。死海の海は塩分がいっぱい入ってますから体が浮きますよね。ところが真水だとあまり浮かないですよね。
空気も、密度が濃いほど、それに比例して揚力、浮く力が強くなるんですね。
気温が高くなると空気分子がバンバン動き回るので、空気が膨張するんです。空気が膨張して空気が薄い状態になるんですね。

空気が薄いから、逆に言うと飛びにくいというか、抵抗を受けられなくて昇らない。持ち上げる力が弱くなるということですね。
普通の夏日に比べると、3%から4パーセント低くなる計算ですね。冬に比べると10パーセントぐらい揚力が得られない。だから、意外に大きいですよね、その力。

気温が高い地域。たとえばドバイっていう空港がありますね。ドバイの飛行場は滑走路が4500メートルぐらいあるんです。日本は成田で4000メートルぐらいでしょう? ドバイは暑いから空気が薄い。空気が薄いから揚力が得られないので、滑走する距離を長くする。
暑いところにある空港は滑走路が長いんですね。

あと、チベットの標高4000メートルぐらいのところにある空港なんですが、ここは当然空気が薄いですよね。だから滑走路は5500メートルですよ。勢いをつけてガーンと行かないと。

森本:調布は800メートルぐらいですよ。

森田:あそこは小型機専用なので大丈夫なんだろうとは思いますけれども。

森本:それでも短いですよね。

森田:ということもあったかもしれませんね。
実際に気温が高いと、これは成田の航空気象台のホームページに書いてあることなんですが、気温が高いと飛行機というのは浮力、揚力、浮く力が弱くなるので、荷物を減らすんだそうです。

大型機の場合、30℃を超えて1度上がる度に250㎏ぐらい荷物を減らす。
だから満杯だとしても、気温が30℃以上になると「今日は荷物を何百㎏減らす」みたいなことをやって調整してるんですね。

今回の墜落は、もちろん原因はまだわかってないんでしょうけれども、気温が高いというのも、ひょっとするとその一因といいますか、要因になっているかもしれませんね。

森本:気温が高ければ高いほど荷物を減らすんでしょう? だけど、燃料をたくさん積んでたっていう話が出てるじゃないですか。逆ですよね。

森田:重くなってた。いろんな報道から勝手にというか大まかに試算をしてみました。

事故機の機体がだいたい1200キロなんですよ。で、離陸可能な機体の総重量というのが1950キロ。だから、1950キロを上回ると危ないよということですね。

1200キロが飛行機の重さだから、余裕は750キロですね。これに対して燃料は、燃費から逆算すると、およ300キロ積んでたと。300キロを引くと、残り450キロですね。
そして、5人の男性が乗ってましたね。だいたい70キロとして350キロですよね。
そして、一人5キロぐらい荷物を持ってますよね。そうするとそれで25キロですよね。
そうすると全部足すと675キロですから

森本:かなりぎりぎりまできてますね。

森田:100キロないですね。それで34、5度のところを滑走していって、

森田:短い滑走路で、浮力を付けなきゃいけない・・・

森田:燃料満タンで。じゃあ、なんで燃料を満タンにしてたのって言うと、遊覧飛行だったんじゃないかという説がありますけども。
そういういろいろ、もろもろの悪条件が重なってしまったんだろうと思いますね。

森本:もちろん原因はこれから調査しなければわかりませんが、そういう気象条件が影響してたと言えますね。

森田:もちろん、突風だとか、積乱雲が起きてダウンバーストだとか、そういうことも気を付けないといけないんですが、それ以外にこういう気温みたいなこと。むしろ(天候が)平穏じゃない? 穏やかじゃない?というようなところに落とし穴があったんじゃないかという気がしますけどね。

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2015.07.27

ももこさん、事件ですよ! その7「あそこって・・・?」

7月18日、土曜日、午前5時

抜き足、差し足、忍び足。
金属製のカゴの中の子猫達の様子をうかがう。
体と体をくっつけて、黒と茶色のまだらの毛糸玉になった4匹の子猫達だが、人の気配を感じて一斉に鳴きだす。

  ピーピーピー、キィーキィーキィー
  ピーピーピー、キィーキィーキィー
  ピーピーピー、キィーキィーキィー
  ピーピーピー、キィーキィーキィー

はい、はい、朝ご飯ね。
手のひらにベビーフードを塗りたくると、膝に乗せた子猫達になめさせる。

午前10時

この日2回目のご飯タイム。

午前11時

4匹の子猫を入れた小さな段ボールを両手で抱えて家を出る。
最初は段ボールの中でピーピー鳴いていた子猫達だが、歩くリズムに揺りかご効果があったのか、数分でおとなしくなった。

雑司が谷霊園を抜けて、都電荒川線の線路沿いをてくてく歩いて30分弱。
東京キャットガーディアン大塚シェルターに到着。
昨日ベビーフードを売ってくれた男性スタッフが出迎えてくれた。

「フードは食べましたか?」
「ええ。4匹で缶詰めを半分ぐらいですけどね。」
「では、こちらへお引き取りいたします」

段ボールごと子猫達をお兄さんに渡す。
子猫の母親業はこれにて終了。

12時30分

家に戻ると、子猫達の本当の母親が
子猫を探して鳴きまわっている。

 ニャオン、ニャオン、ニャオーーーーン


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


7月21日、火曜日、午前9時

我が子を案じて探し回っていた母猫も、さすがに諦めたらしい。
とんと鳴き声が聞こえなくなった。
避妊手術をしてやりたいが、出産直後の今は無理だろう。
だいたい、おいそれと捕まえられるはずがない。
ご近所さん達と関係も考慮しないといけないし。
猫シェルターの代表さんに、捕まえ方から伝授してもらわないとなあ。

しばらく様子をみよう。

それよりも、裏のノッポの木を何とかしてもらわねば。

木こりのお兄さんに電話してみた。

「もしもし? 台風も行っちゃったことですし、いつごろ来ていただけますか?」
「明日の午後3時では?」
「はい、お願いします」


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


7月22日、水曜日、午後2時30分

予定より30分早く、我が家の玄関先に軽トラックとバイクが到着。
見積もりに来たイケメンお兄さんとおじさん2人の3人体制。

「今、裏隣りのお宅に行ってみたら、やはりお留守でした」とお兄さん。
「やっぱり、我が家の中を通って切った木を搬出していただくことになりますね?」
「いや、お隣の玄関前の通路を通らせてもらえるといいんですが、いらっしゃいますかねえ?」

と言いながら、さっさとインターホンを押してお隣に声をかける。

電動のこぎりを使っての伐採作業は20分足らずで終了。

伐採前

20150717tree3

伐採後

20150727tree

ああ~さっぱりした!
これで文字通り枕を高くして寝られるというものだ。

「切り株にはブロックを乗せておきましたので、もう生えてこないと思います。雑草も刈っておきましたので」
「それはどうもありがとうございます」
「ところで、奥さん、あそこのことはご存じですか?」
「え? あそこって?」

木こりのおじさんは、我が家の2階の外壁を指さした・・・


≪まだまだ遠い一件落着・・・つ・づ・く≫

東京キャットガーディアン~子猫の里親募集~

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のぼって、わらって、夕涼み

7月最後の日曜日は
久しぶりに会う友と待ち合わせて
東京タワーのブルーの階段600段。
夜風があまりにも気持ちよくて
踊り場ごとに夕涼み。
展望台を4周したらお腹が空いたねと、
フードコートで胡麻だれ冷やし麺を注文。
お腹はグーグーなるが、
うんともすんとも言わない呼び出し機が
目の前が暗くなるころに、ピーヒョロヒョロリと鳴ったので、
いそいそとカウンターで受け取った胡麻だれ冷やし麺。
一口食べたら・・・
味がない! こりゃ、「たれなし冷やし麺」!
トレイを持って、もいちどカウンターへ取って返して
「たれがかかってないですよ!」
「何にも味がしませんよ!」と口ぐちに訴えると、
店の兄さんが「申し訳ありません!」と
二人の食べかけの「たれなし冷やし麺」の上に
たらーりたらりと、ゴマダレをかけてくれれば、
今度こそ「胡麻だれ冷やし麺」になりまして。
なんだか愉快な東京タワーの夜は
更けてゆくのでありました。

20150726tower


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2015.07.26

ももこさん、事件ですよ! その6「一夜限りの母」

7月17日、金曜日、午後3時30分。

大塚の猫シェルターで猫用ベビーフードの缶詰を1個買って帰宅。

玄関のドアを開けるやいなや

  ピーピーピー、キィーキィーキィー
  ピーピーピー、キィーキィーキィー
  ピーピーピー、キィーキィーキィー
  ピーピーピー、キィーキィーキィー

子猫四重唱団がフォルテシモでお出迎え。

わかった、わかった。
お腹すいたよね。
ご飯、買ってきたからね。

でも・・・あんた達、ベビーフード、食べられるかな・・・・

小皿にペースト状のベビーフードを少し入れて、カゴの中に置いてみたが、子猫達はそれが何だかわからないようで、ベビーフードの上を動き回って、カゴの中で大騒ぎ。

  ピーピーピー、キィーキィーキィー
  ピーピーピー、キィーキィーキィー
  ピーピーピー、キィーキィーキィー
  ピーピーピー、キィーキィーキィー

わかった、わかった。
まだおっぱいしか飲んだことないものね。
お皿から食べたことなんかないものね。
じゃあ、口に入れてあげるから、こっちにおいで。

まず、くろとらちゃんを片手ですくいあげると、右手の指先にベビーフードをちょっぴり塗って、口に入れようとした。

  イタタタタ・・・

くろとらちゃんの口はあまりにも小さく、それでいて一丁前に生えている爪で左手にしがみついたり暴れたりするものだから、なかなか口の中にベビーフードが入らない。

あんたは後回し! 次! くつしたちゃん、いらっしゃい!

  イタタタタ・・・

ちっちゃな爪で大暴れ。フードが口に入らない。

  ピーピーピー、キィーキィーキィー
  ピーピーピー、キィーキィーキィー
  ピーピーピー、キィーキィーキィー
  ピーピーピー、キィーキィーキィー

お腹を空かせた子猫達の声はいまやフォルテシシモ。
カゴから這い出して私の膝に乗ろうと必死でもがいている。

わかった、わかった、わかった。
そんなにおひざに乗りたいなら、乗せてあげるってば。
4匹まとめて、いらっしゃーい!

4匹を膝に乗せると、子猫達は我先に私のお腹に顔をくっつけて両前足でしがみつく。

おっぱいを吸う態勢だ。

そうか! それならば・・・

着ているTシャツにビーフードをベトベトに塗りたくった。
子猫達はベトベトのTシャツを夢中で吸ったり、舐めたり・・・
そして、ひと段落すると、膝の上で4匹固まって寝てしまった。


20150726neko


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・  


7月17日、金曜日。午後5時。

ママがデイホームから帰ってきた。

ママ「あらま! 何なのこれは? 犬か? 猫か?」
ももこ「猫だってば。」
ママ「なんだって猫なんか拾ってきたの!?」
ももこ「拾ったんじゃないよ。ママの部屋の押入れにいたんだよ」
ママ「またそんな適当なことを言って!」
ももこ「本当だってば。窓を開けっ放しにしといたから、母猫が連れ込んだんだよ、きっと」

4匹の子猫にママがどんな反応を示すか、少し様子を見てみようと思った。
ママは猫が好きではない。
外で見かけるぶんには「かわいいねえ」と言うけれど、家の中に生き物がいるのは好きではない。

けれど、子猫を目の前にしたら、もしかしたら可愛がるかもしれない。
一匹ぐらい飼ってもいいと言うかもしれない。

そんな淡い期待があったのだが・・・

ママ「どうするの、4匹も! 餌代だってばかにならないだろうが!」

ママは猫と暮らす気はさらさらなさそうだ。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


7月17日、金曜日。午後9時。

二度目のご飯タイム。
またまた Tシャツをベビーフードと水でドロドロにすると、4匹まとめて膝に乗せる。
我先にTシャツを舐める子猫達。

くろとらちゃんとまだらちゃんはベビーフードの味を覚えたらしく、人差し指にフードを塗って口元に当てると、指をぺろぺろ舐めだした。

そして、ひとしきりチューチュー、ペロペロすると、またまた4匹固まって膝の上で寝てしまった。

猫たちを膝にのせたまま壁に寄り掛かる。

この重み。
4匹の子猫の重み。
なんて幸せな重みなんだろう。
私は子供を産み育てたことがないけれど、
母性本能のスイッチを入れるのは、
すっかり信頼しきって体を預ける赤ん坊の重みに違いない。

このままずっと、この子猫達の母親でいられたら、どんなに幸せだろう・・・

4匹の子猫を膝にのせて一夜限りの幸せに浸っていたのだった。


≪そろそろ一件落着と思いきや・・・つづく≫


東京キャットガーディアン~子猫の里親募集~

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2015.07.25

ももこさん、事件ですよ! その5「猫かわいがりはダメよ」

7月17日、金曜日、午後2時30分。

大塚駅近くの猫シェルターの代表者の女性との会話は続く。

「4匹の子猫は引き取りますが、交換条件があります!」
「交換条件? どういうことでしょうか?」
「母猫の避妊手術をしてください!」
「でも、母猫は野良猫で、おいそれとは捕まえられないんです」
「捕獲器を貸し出します!」
「でも、捕獲器にその母猫が捕まるとは限りませんよね。」
「お住まい、雑司が谷だとおっしゃいましたよね? 雑司が谷は野良猫が多い地域なんですよ。」
「たしかに・・・」
「これ以上、不幸な子猫を増やさないでいただきたいんです!」
「母猫の避妊手術ができるならしてやりたいですが、捕まえる自信がないんです・・・」

ここで、彼女のトーンが少し落ち着く。

「お宅様が餌をやっているわけではないのですよね。
「ええ・・・」
「わかりました。子猫は引き取ります。うちに譲渡していただきます。」
「え? 引き取っていただけるんですか?」
「うちは今300頭の猫を保護していて、キャパを超えてるんですが、とにかく引き取ります!」
「どうもありがとうございます。いつ連れてくればいいでしょう?」
「今日は無理です。明日の11時半にお願いします!」
「わかりました。よろしくお願いします。」


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


雑司が谷界隈は猫が似合う。
草木が茂る雑司が谷霊園や、
迷路のような細い路地裏で、
自由気ままに生きる猫たち。

しかし、野良猫はご近所の悩みの種でもある。
「かわいい、かわいい」と野良猫に餌をやる人がいる。
その猫たちは次々子猫を産んで、猫はどんどん増える。
不運な子猫はカラスの餌食になる。
餌をあげている人は、無残な死骸の後始末はしない。
見つけた誰かが始末することになる。
猫たちは、厄介なご近所のもめ事の火種でもあるのだ。

4匹の子猫を引き取ってくれることになり、正直、安心したのだが、「不幸な猫を増やさない!」という猫シェルター代表の女性の姿勢に考えさせられた。

とにかく、翌日まで一晩、我が家で4匹の子猫を預からねばならない。

この子達、キャットフードは食べられるのかな?
やっぱりミルクかな?
猫嫌いのママがゴキゲンナナメにならないかな?

一夜限りの4匹の子猫の母親業が始まった・・・

東京キャットガーディアン~子猫の里親募集~

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2015.07.24

ももこさん、事件ですよ! その4「交換条件?」

7月17日、金曜日、午後2時。

 ピー、ピー、ピー、キィー、キィー、キィー
 ピー、ピー、ピー、キィー、キィー、キィー
 ピー、ピー、ピー、キィー、キィー、キィー
 ピー、ピー、ピー、キィー、キィー、キィー

ママの部屋の奥の物置部屋の押入れで保護した4匹の子猫たちは、
タオルを敷いた金属製の四角いカゴの中で鳴き続ける。

どうしよう・・・

我が家で飼うわけにはいかない。
ママは猫が嫌いなんだもん。
引き取り手を探さなきゃ。
でも、子猫のもらい手が都合よくすぐに見つかるとは思えない。

困った、困った、困った・・・

どうしよう、どうしよう、どうしよう・・・

だけど・・・

可愛いなあ~~~~
20150721cat

ほら、ほら、こんなにちっちゃいのに、爪も歯も一人前に生えている。
カゴから前足を懸命に突き出す。
あらら、ちゃとらちゃんったら、カゴをよじ登って外に出ようとしてる。

かわいいなあ~~~
  
 ピー、ピー、ピー、キィー、キィー、キィー
 ピー、ピー、ピー、キィー、キィー、キィー
 ピー、ピー、ピー、キィー、キィー、キィー
 ピー、ピー、ピー、キィー、キィー、キィー

お母さん、お腹すいた~、おっぱい、おっぱい~~~
4匹の子猫は、折り重なって猫団子になって鳴き続ける。

とりあえず、ミルクと猫缶を買ってくるからね。
いい子で待ってるんだよ、子猫ちゃんたち!

子猫達を入れた金属製のカゴに、同じサイズのカゴを逆さまにしてかぶせると、即席ケージの出来上がり。
そーっとカゴから離れると、靴を履いて外へ出た。

猫缶とアドバイスをもらいに大塚へ・・・


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


7月17日、金曜日、午後2時30分

ミルクか猫缶を買いに出かけた先は、スーパーでもコンビニでもなくて・・・

東京キャットガーディアン大塚シェルター

猫の殺処分ゼロ!を目指して、飼い主のいない猫の保護と里親探しに取り組むNPOが運営する猫シェルターである。

我が家から徒歩30分弱。
大塚駅の近くのマンションの5階には、里親を待つ保護猫が暮らす猫カフェ兼猫シェルターがある。
今回は5階のシェルターではなくて、1階のペット用品ショップで、猫用ミルクか猫缶を買って、保護した猫をどうしたらいいか相談しようと思ったのだ。

リサイクルショップの前に来て見ると、入り口がビニールシートで完全に覆われていて中に入れない。
けれど電気はついている。中に人の気配もする。
横手のビルの入り口から入ってショップのドアを開けてみた。

「こんにちは~! こんにちは~!」

何度か声をかけると、奥の方からお兄さんが現れた。

「あの・・・うちの押入れに近所の野良猫が子猫を4匹連れてきてしまいまして・・・」

手短かに事情を説明すると、お兄さんはシェルターのパンフレットをを差し出して、

「僕にはお答えできませんので、代表に電話してみていただけますか?」
「今、ここで?」
「はい」

そこで、パンフレットに書いてある番号に電話。
10回ほど呼び出し音を鳴らしたところで、女性が出てきた。

「はい、東京キャットガーディアンです!」
「あの・・・うちの押入れの野良猫が子猫を4匹連れ込んでしまいまして・・・」
「お引き取りしますけど、交換条件があります!」

え? 引き取ってくれるの?
すぐに引き取ってもらおうなどとまったく期待していなかった。
とりあえず相談したくてここまでやってきたわたしは、NPOの代表らしき女性の言葉に驚いてしまった。

「お引き取りしますけど、交換条件があります!」
「はあ・・・、どういうことでしょう・・・?」

≪まだつづく≫

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2015.07.21

romanticをもう一度

それは唐突な言葉だった。

「次の曲は、ある人に届けるために歌います」

それまでのステージには似合わないウェットな言葉に違和感を覚える。

しかし。

その曲のイントロが始まった瞬間、胸が苦しくなった。


  誰かromantic 止めて romantic
  胸が 胸が 苦しくなる


激しくもクールな演奏で客席をぐいぐい惹きつけるロックバンド、trichromatic ropes
ギター、ベース、ドラムという編成の彼らが演奏したのは、C-C-Bのヒット曲“romanticが止まらない”。

1980年代のアイドル系バンドのヒット曲を、trichromatic ropesがカバーする。
実に見事に、きっちりと、そして誠実に。

20代で一世を風靡したC-C-Bのメンバー達は、今、55歳前後。
そろそろ人生の落ち着きどころを見極める年代だ。

そんな正念場とも言える年齢、55歳で突然逝ってしまったC-C-Bの渡辺英樹に届けようと、
trichromatic ropesの3人は、このキャッチ―なヒット曲を演奏する。

実に見事に、きっちろと、そして誠実に。


  同じ孤独を 抱いて生きたね
  今夜 一人では 眠れない


来し方、行く末を思う55歳。
幸運と不運を秤にかけてはため息をつく55歳。
若いとはもう言えないが、枯れるにはまだまだ間がある55歳。

もしかしたら迷いの最中で彼は逝ったのかもしれない。

彼と同世代のtrichromatic ropesの3人。
どんな思いでこの曲を演奏しているのだろうか。
これほどまでに見事に、きっちりと、そして誠実に。


  走る涙に 背中押されて
  Hold me tight せつなさは止まらない


それぞれの思いを託した“romanticが止まらない”
彼らの演奏は、渡辺英樹のもとに、きっと届いたに違いない。

  

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おばあちゃんの原宿の休日

おばあちゃんの原宿、巣鴨の街。
休日の午後ともなれば、駅前のマクドナルドは
おじいちゃん、おばあちゃん達で1階席は満員御礼。

「今日はずいぶんと混んでるねえ」
「海の日で学校が休みだからね。」
「どうりで若い人がたくさん来ているわけだ」

地蔵通り商店街はさぞかし賑やかだろうと思いきや、
梅雨明けの真夏日の商店街は人影まばら。
日盛りの商店街の店先で、「冷たい黒豆茶」や「お茶の専門店の抹茶ソフトクリーム」を売り込む声も途絶えがち。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


おばあちゃんの原宿、巣鴨の街には
ライオンキングみたいな名前の店があるそうな。
20150721sisiou

駅前の福福まんじゅうの横の路地の奥。
階段を下りて地下の穴ぐらをのぞいてみたら、
舞台にはイカした6人の女子楽団が出ていたよ。
20150721larc

マイクスタンドを巧みに操る歌姫の隣りに立つのは
「ボスなんとか」という特異なスタイルの衣装の女子。
「ボスとは何ぞや?」とくまちゃんに聞けば、
「ボスではなくてゴスでやんす」と教えられる。
おばあちゃんの原宿の常連には、
いまどきの衣装用語は難しすぎるわい。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


おばあちゃんの原宿、巣鴨地蔵通り商店街は、
夕方の6時ともなれば、どの店も店じまい。
いつもの八百屋に寄って越後の塩麹を、
赤パンツで有名な「マルジ」に寄って、
ママの夏用のパジャマと「アッパッパー」を、
20150721appappa

「安さ、びっくり」と都電で宣伝しているスターフルーツで
ママもムスメも大好きなサツマイモとかぼちゃをお買い上げ、300円。

夜空に眩しく輝く大塚駅ビルでお手洗いを拝借。
天祖神社前のスーパーシマダヤで、
ママの水分補給に欠かせないゼリー&寒天用に
グレープジュースと豆乳を買うと
布製のナップサックの紐がずしりと肩に食い込む。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


春日通りに出る頃にはすっかり暮れなずみ、
お腹の虫が、「そろそろですか?」と鳴きだす。
都電の停留所のほとりの中華屋の
赤い看板に惹かれて扉を開けると
「イラッシャイマセィー」と中国人のおじさんが迎えてくれる。
四人掛けのテーブルに座って、
小皿料理から「豚レバー焼き」を注文。
20150721chuuka1

ビールが合うとわかっちゃいるが、
飲めないわたしはお冷やがお供。
レバーを二切れほおばったところで、
冷やし中華を注文すれば、
厨房から、トントン、サクサクと野菜を刻む音がする。
待つことしばし。
運ばれてきた冷やし中華は丼入り。
こんもり盛られたキュウリ、ミズナ、もやし、サラダ菜に
煮玉子と鶏肉も添えれらて、
つけ麺風の冷たい甘辛スープがなみなみと。
20150721chuuka2

ママ、ごめんなさい。
一人で美味しいもの、食べちゃって。
冷蔵庫に今日の晩ごはんがあるから、
テレビ見ながら気ままに食べててちょうだいね。

1080円の贅沢。
この夏、初めての冷やし中華に
ほーっと満足の吐息を吐きながら、
すっかり暗くなった夕暮れの道を
雑司が谷へと歩いていく。

身体いっぱいで
夏の始まりを確かめた。

今日は、海の日。

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2015.07.20

ももこさん、事件ですよ! その3「リアルねこあつめ」

7月18日、金曜日、午後12時。

ピンポーン♪ ピンポーン♪
「伐採ドットコムです。お見積りに伺いました。」

ドアを開けると、イケメン木こり男子。
テキパキと現場を見極め、十数分で見積もり完了。
台風が遠ざかり次第、屋根を脅かすノッポの木の伐採をお願いすることに。

木こり男子の声に警戒したのか、急に静かになった謎の生命体は、木こり男子が出ていくやいなや、またまた騒ぎ出した。


 ピー、ピー、ピー、キィー、キィー、キィー
 ピー、ピー、ピー、キィー、キィー、キィー
 ピー、ピー、ピー、キィー、キィー、キィー


わかった、わかった、今、迎えに行くけれど。
いったい、あんた達、どこにいるのよ???

ママの部屋の奥の物置部屋の、ノッポの木に通じる勝手口とは反対側の奥らしい。
天井近くまで積みあがったガラクタを押しのけ、押しのけ、奥へ、奥へと進む。

だんだん声が大きくなる。
どうやら押入れの中らしい。
真っ暗な押入れに頭と手を突っ込んで手さぐりすると・・・

あっ!

ふわふわしたものに手が触れた、と思ったら、その毛玉は自力で押し入れの外に這い出してきた。

 ピー、ピー、ピー!

真っ黒な体に白い手足の、“くつしたちゃん”確保。

再度押入れに頭と手を突っ込むと

 ピー、ピー、ピー!

“くろとらちゃん”確保。

さらに、黒と茶色のつぎはぎ模様の“まだらちゃん”と、薄茶色の“ちゃとらちゃん”を確保。

最近、iPad上で猫を集めるゲーム「ねこあつめ」にハマっているももこさんだが、

  こりゃ、まさに、リアルねこあつめ~~~♪

などと喜んでいる場合ではない。

小さな段ボール箱に四つの毛玉を収納して、居間へ運ぶ。

 ピー、ピー、ピー、キィー、キィー、キィー
 ピー、ピー、ピー、キィー、キィー、キィー
 ピー、ピー、ピー、キィー、キィー、キィー
 ピー、ピー、ピー、キィー、キィー、キィー

リアルねこあつめアカペラ四重唱団を前に、ただただ途方にくれるのであった。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

7月17日、金曜日、午後1時。

 ピー、ピー、ピー、キィー、キィー、キィー
 ピー、ピー、ピー、キィー、キィー、キィー
 ピー、ピー、ピー、キィー、キィー、キィー
 ピー、ピー、ピー、キィー、キィー、キィー

段ボール箱から、タオルを敷いた金属製の籠に移された四つの毛玉たちは、不安と空腹を訴えて鳴き続ける。

20150721cat

そして、窓の外では・・・

 ニャオーン、ニャオーン、ニャオーーーン

母猫が子猫を呼びづつける。
窓から覗くと、ご近所で時々みかける黒と茶色のまだら模様の野良猫だ。

そっと窓を開けると、母猫は

  ハーーーーーッ! ハーーーーーッ!

と、こちらを威嚇する。
彼女にとって私は、我が子を拉致した誘拐犯なのだ。

でも、ちょっと、あなた!
ママの部屋に断りもなく入ってきて、物置部屋の押入れに勝手に子猫を置いてったあなたがいけないのよ!

それにしても、いったいいつ、どこから入ったの?
ああ、そうか。
ママの部屋の窓が開けっ放しだったのね。
ママがいない時にこっそり子猫達を連れ込んで、押入れの奥で子育てしようと思ったんでしょう?

でもね。
我が家の押入れで見つかってしまったからには、かわいそうだけど、あなたに子猫を返すわけにはいかないの。
だって、この子たちをあなたに返したら、また別の場所に連れていくでしょ?
他の野良の子猫達みたいにカラスの餌食になるかもしれない。
無事に育ったとしても、4匹の野良猫を増やすことになる。
我が家で見つかってしまったからには、あなたに返すわけにはいかない。

可愛そうだけど、子供達のことは諦めてちょうだいね。


 ニャオーーーーン、ニャオーーーン、ニャオーーーン

窓の外で鳴き続ける母猫。

 ピー、ピー、ピー、キィー、キィー、キィー
 ピー、ピー、ピー、キィー、キィー、キィー
 ピー、ピー、ピー、キィー、キィー、キィー
 ピー、ピー、ピー、キィー、キィー、キィー

目の前のかごの中で泣き続ける子猫達。

母猫には返せない。
だけど、我が家でこの子たちを飼うこともできない。

だって・・・ママは猫が嫌いなんだもん・・・

どうしよう、どうしよう、どうしよう・・・


≪次回「長い夜」へつづく≫


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2015.07.18

ももこさん、事件ですよ! その2「台風の目は我が家にあり!」

7月14日、火曜日、午前11時

携帯が鳴った。
庭木ドットコムの木こりのおじさん、シミズさん。

事情を説明すると、
「ではまずお見積りに伺います。8月6日ではいかがでしょうか?」
「8月6日? 20日以上先ですよね? 6日に見積もりしていただいた場合、実際に作業していただくのは何日になります?」
「8月の中ごろですねえ・・・」
「1か月も先じゃないですか!」
「現在作業が非常に立て込んでおりまして・・・」
「すいません。できるだけ早く切ってもらいたいので、他を当たってみます・・・」

電話を切ると、「庭木110番」やら「お庭クウィック」やら、何軒が電話してみるものの、早いところで7月最終週見積もり、8月初旬に作業になると言う。

草木も繁る梅雨明け時。
植木屋さんは連日大忙しなのだ。
そういえば、植木職人のMちゃんも連日ハードワークだと言っていたっけなあ・・・

再度パソコンに向かう。

「庭木 伐採 急ぎ」

で、検索。

「即日対応OK!」と出てきた「伐採ドットコム」みたいな名前の業者に電話してみる。
こちらも対応はコールセンターの女性オペレーター。

「できるだけ早くお願いしたいのですが」
「では、お住まいのエリアで早めに伺える者をお探ししましす」

2、3分後。

「17日の金曜の午後に下見と見積もりに伺える者がおりますが?」
「お願いします!」
「では17日の12時から15時の間に伺います。当日、担当者から確認の電話がいきますので、よろしくお願いいたします。」

やれやれ~これでひと安心。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


7月17日、金曜日、午前8時40分。

下見に来てくれる木こりさんを迎え入れる準備をせねば。

問題のノッポの木が生えているのは我が家の裏側の狭い隙間。
そこに行くには、木こりさんに靴を持って部屋に上がっていただき、ママの部屋の奥に続く1畳分ほどの物置スペースを通って、勝手口に行ってもらうことになる。

火曜日の朝、この物置スペースの扉を開けてみたら・・・
うず高く積まれたガラクタの山が出現!
掃除する時間がなかったその時は、ガラクタを乗り越えて勝手口から裏に出たのだが、木こりさんに下見してもらうには、勝手口へ通れるようにせねば。

特大ゴミ袋6袋分のガラクタを撤去して、勝手口への都降り口を確保。
掃除機をかけて、雑巾で床を拭いて。

木こりさん受け入れ準備OK!

ほっと一息つこうとしたその時・・・


  ピー、ピー、ピー キィーキィーキィー
  ピー、ピー、ピー キィーキィーキィー
  ピー、ピー、ピー キィーキィーキィー


何やら生き物の鳴き声が聞こえてくる。
しかも、ごく近くから!


  ピー、ピー、ピー キィーキィーキィー
  ピー、ピー、ピー キィーキィーキィー
  ピー、ピー、ピー キィーキィーキィー


外で小鳥でも鳴いてるのかな?
勝手口から頭を出してみるが、どうやら鳴き声は家の中から聞こえてくるようだ。


  ピー、ピー、ピー キィーキィーキィー
  ピー、ピー、ピー キィーキィーキィー
  ピー、ピー、ピー キィーキィーキィー


なんだ、なんだ、何なんだ!!??


折しも接近中の台風による強風で、
2階の屋根は不気味な音をたて続ける。


  ギィー、ギィー、ギィー、ガタガタガタ
  ギィー、ギィー、ギィー、ガタガタガタ
  ギィー、ギィー、ギィー、ガタガタガタ


家のどこかからは


  ピー、ピー、ピー キィーキィーキィー
  ピー、ピー、ピー キィーキィーキィー
  ピー、ピー、ピー キィーキィーキィー


そして、玄関からは


  ピンポーン! ピンポーン!
  「植木ドットコむのコジマでーす!」


ど、ど、どーしよ~~~
勝手口の前で頭を抱えるモモコであった・・・


≪怒涛の展開の第三話へ・・・≫

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2015.07.17

ももこさん、事件ですよ! プロローブ「犯人は誰だ!?」

7月13日、月曜日、深夜。
12時過ぎに布団に入る。
眠りに落ちる至福のひと時・・・のはずが・・・


  ギィーー、ギィーー、ガタガタガタ
  ギィーー、ギィーー、ガタガタガタ
  ギィーー、ギィーー、ガタガタガタ


木造モルタル2階建て築45年の我が家の屋根から聞こえる凄まじい物音。


  ギィーー、ギィーー、ガタガタガタ
  ギィーー、ギィーー、ガタガタガタ
  ギィーー、ギィーー、ガタガタガタ

怪獣が屋根を剥がしにかかっているのか?
台風接近中とニュースで言ってたっけ。
寝ている間に屋根が吹っ飛んだらどうしよう・・・

怖くて、怖くて、一睡もできなかった・・・


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


7月14日、火曜日、午前9時45分。

屋根から聞こえる物音の原因を突き止めねば。
とりあえず、玄関の前から屋根を見上げてみるものの、弱視の私には屋根の異変は見つけられない。

待てよ・・・昨夜の物音は家の裏側の屋根から聞こえてきたんだった。
裏に回ってみよう。

仏壇の奥の、物置部屋の奥の、めったに開けたことのない勝手口を開けて、
我が家の裏側の壁と、裏隣りのお宅のお庭を仕切るブロック塀との間の、幅1メートル弱の薄暗くも細長い空間を点検。

あれ? こんなところに細い木が生えている!

20150717tree1

見上げてごらん、日陰の細木を・・・

日陰の隙間の細い木は、日光を浴びようと、ブロック塀を乗り越えて裏隣りのお宅の広いお庭に枝を伸ばし、
さらに、上へ、上へと背伸びをしているように見える。

20150717tree2

いったいどこまで背伸びしているんだろう?
玄関に戻り、路地をぐるっと回って裏隣りのお宅の正面から我が家の裏側を見てみたら・・・

20150717tree3

ひえ~~~~!!!

屋根より高い隙間の木!!!

昨夜の

  ギィーー、ギィーー、ガタガタガタ
  ギィーー、ギィーー、ガタガタガタ
  ギィーー、ギィーー、ガタガタガタ

は、このノッポの木の枝が屋根に当たった音に違いない。
急いで切らないと屋根が壊れるに違いない。

木こりのおじさんを探さねば! 大至急!!!


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


7月14日、火曜日、午前10時。

パソコンに向かうと、

  「木 伐採」

で検索開始。

ずらりと並んだ「庭木ドットコム」みたいな名前の業者の一つに電話してみる。

「お電話ありがとうございます。ニワキドットコム、コールセンター、担当のカトウでございます」

木こりのおじさんとお話するつもりでいた私は、女性オペレーターさんの声に面食らう。

「木を切っていただきたいんです!」
「ご住所からお願いいたします」
「豊島区雑司が谷・・・」
「お客様のエリア担当の者から折り返しお電話をさしあげますのでしばらくお待ちください」

いまどきの木こりさんはなんとシステマティック!

30分後、携帯が鳴った。

「ニワキドットコムのシミズと申します」

やれやれ、今度は木こりのおじさんの声だ。
よかった、よかった・・・と思いきや・・・


≪緊急事態はつづく・・・≫

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2015.07.13

ママと一緒にたんぽぽライブ♪

7月11日、土曜日、晴れ、猛暑。

ももこ「今日はわたしは一日出かけちゃうから、ママはお留守番、お願いしますね。」
ママ「どこに行くの?」
ももこ「たんぽぽライブ」
ママ「ライブ?」
ももこ「コンサートのこと」
ママ「いいねえ、あんたは。」
ももこ「一緒に行く・・・・? 遠いんだけど・・・」
ママ「連れてってちょうだい」

こうして、ママと一緒にたんぽぽライブが急きょ実現。

と言いたいところだけど・・・
実はこれは私の作戦でした。

いちどママをたんぽぽライブに連れていきたい、と前々から思っていたのです。
お出かけが大好き、芸事が大好きなママ。
昼間のたんぽぽライブなら、ママも楽しめるかもしれない。

ただ、一つ心配なのは、ママの耳が遠いこと。
普通の声での会話は聞き取れない。
マイクを通しても、歌の文句やMCはわからないだろう。
何にも聞こえなくて退屈してしまうかもしれない。

でも、7月号なら大丈夫かも。
だって、パーカッションが入るもの!
それに、ピアノ、三線、ウクレレ、ギター、カホンと、バラエティに富んだプログラム。
見ているだけでも楽しいに違いない。

というわけで。
雑司が谷から地下鉄を乗り継いで荻窪へ。
中央線に乗り換えて立川へ。
立川からはタクシーで。
2時間かけて、ママと二人でやってきました、たんぽぽライブ7月号。

そして・・・

パーカッションが入れば耳が遠いママでも楽しいだろう・・・という私のもくろみが、いかに浅はかな考えだったかを思い知りました。

手作りの笛、「尺六」を演奏される笹野さんの姿に「ほお!」と感心。

そして、marumiさんのピアノが始まると、ママは手拍子を始めます。

そう。

ビートの効いたmarumiさんのピアノと歌に、ママはノリノリ。
パーカッションが入るからリズムがあるのではない。
ピアノに、ギターに、三線に、ウクレレに、歌に、リズムがあるのだ。
そんな根本的なことを、ママは教えてくれました。

そして、豪華パーカッション隊登場。
ダブル・カホン+ボンゴやシンバルの迫力のパーフォーマンスに、手拍子だけでは足りなくてテーブルを叩き出すママ。

でも、演奏されるのは大正15年生まれのママには馴染みのない曲がほとんどです。
ママにも思い切り歌ってほしいなあ・・・

たんぽぽに向かう電車の中で、ママに聞いてみました。

ももこ「ママも飛び入りで一曲歌わない?」
ママ「私はやらない」

かつてのようにきちんと歌えない自分は人前に出るべきではない、というママのプライド。
その気持ちはよくわかる。

それならば・・・と。
ライブの最後に、司会者特権で(ごめんなさい!)、CELLのすーちゃんに無理やり伴奏をお願いして、ママもよく知っている「上を向いて歩こう」をみんなで歌いました。
客席のママも張り切って歌ってくれたようで、よかった、よかった♪

♪ ♪ ♪ ♪ ♪

家に帰っての夕ご飯。
7月号のチラシを眺めながらママとお喋り。

ママ「この人達の先生はどこにいたの?」
ももこ「先生はいないよ。この人たちは、みんな、自分が自分の先生なんだから」
ママ「たいしたもんだねえ!」

そして、またまたチラシを眺めるママ。
ほんとうに楽しかったようです。

7月号ご出演のみなさま。
そして、遊びにきてくださった皆様。

あふれるリズムのプレゼントをありがとうございました。

20150713tanpopo


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2015.07.05

目白通り制覇

雨の夜。
気の張る仕事を終えて、
虎ノ門からタクシーに乗った。

「雑司が谷までお願いします。護国寺と池袋の間なんですが」
「では、とりあえず護国寺に向かえばよろしいですね?」
「はい、お願いします」

最初のやりとりに続く1、2分の様子から、今夜の運転手さんはベテランさんだと感じ取ってひと安心。

「ひどい雨ですねえ」と運転手さん。
「予報が当たってしまいましたね。雨の日は運転手さんも大変でしょう?」と私。
「降り始めはお客が多いんですけどね。降りすぎるとさっぱりです。それに、雨の夜は眩しくて運転しづらいんですよ。」
「タクシーって大変なお仕事すよね。勤務時間も長いし」
「ええ。でも、私はあと3年なんですよ。」
「定年・・・ですか?」
「65になるんでね。家族が北海道にいるものですから、あと3年で区切りをつけて帰ろうかと」
「長いこと東京でお仕事されてるんですね?」
「10年になりますねえ。地元ではなかなか仕事がなくて・・・」

人生いろいろあって東京のタクシー運転手になられたのだろう。
穏やかでちょっぴり話し好きの運転手さんとのお喋りは楽しかった。

運転席のカーナビに、地図ではない画像が出ているように見えるのが気になって、聞いてみた。

「運転手さんはカーナビは使わないんですか?」
「あ、このカーナビですか? これはICチップに運行記録を入れるために会社が付けたカーナビで、だいぶ古いもんですからね。建物の名前とかが変わっていて、あまり当てにならないんですよ。」
「じゃあ、都内の地理をどうやって覚えられたんですか?」
「道路地図帳ですね。毎日、会社に戻ると乗務日誌を書くんですが。そのたびに、その日走ったルートを道路地図で確認するんです。」

やっぱり道路地図なんだ、と、ひそかに共感。

ナビに頼っていると、目の前の道順しか目に入らないからか、道路と道路、街と街の位置関係がなかなか把握できないものだ。

「新人の運転手にも、カーナビに頼りすぎるといつまで経っても道を覚えないよと言うんですけどね。最近はカーナビに頼りっぱなしの運転手ばかりですねえ・・・」

google mapのナビと首っ引きでウォーキングをする私も同じこと。
iPadを見ながら目的地まで歩くだけでは、「次の交差点を右」「次を左折」と道案内に従っているだけで、自分がどこを歩いているか、頭の中で再現できないことが多い。

家に帰ってからパソコンの大画面に地図を出して、自分が歩いたルートを復習して初めて、その日歩いた道と、すでに知っている道がつながって、頭の中の道路地図が充実するのだ。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

車は、市ヶ谷駅近くで大通りから少し狭い道に入る。
左手に見えるのは、この間、チロルチョコの新作を見つけたファミリーマートではないかしら?

「この道をまっすぐ行くと早稲田通りですよね?」と私が聞く。
「そうです。これは牛込中央通りです。」と運転手さんが答える。
「私、時々、市ヶ谷から家まで、この道を通って歩いて帰りますよ」
「え? 市ヶ谷から雑司が谷まで歩くんですか?」
「ええ、1時間半ぐらいですよ。私は目が悪いものですから、車にも自転車にも乗れないので、よく歩くんです。この間は目白通りを端から端まで歩きました。」
「えー!!?? 目白通りというと、九段下から?」
「ええ。九段下から飯田橋を通って、神田川沿いに江戸川橋まで行って」
「そこから護国寺方面ですね?」
「えーと、今夜は江戸川橋から護国寺→池袋方面へ行っていただきますけれど、目白通りは途中で左折して椿山荘の前を通って目白駅に行くんです」
「ああ、そうですね。」
「そのあたりは家の近所ですからよく知っているんですけどね。西落合から先に行ったことがなかったんですよ」
「目白通りは練馬まで行きますからね」
「そう、そう。それで、練馬の終点まで歩いたんです」
「えーーー!!?? 西落合から練馬の方が距離があるじゃないですか!!??」
「ええ、西落合から3時間以上歩きました。」
「すごいですねえ!!」
「自分でもよく歩いたと思います。何しろ、西落合から練馬に向かう目白通りって、何にもないんですよ。コンビニすら滅多にないんで、トイレを探すのにもひと苦労。」
「はっきり言って、車を通すための道ですからね、あの辺は」
「埃と排気ガスと汗まみれで3時間歩いて、ようやく関越自動車道の入り口に着いたんです。」
「はあ!」
「目白通りはそこが終点だと調べてあったんです。ところが、関越の入口のところに行ってみたら、車道も歩道もまだ続いてるじゃないですか!」
「ああ、たしかにまだ先がありますね。」
「いったいどこまでが目白通りなのかと、家に帰ってよくよく調べてみたら・・・目白通りというのは通称で、正式には都道8号と都道24号の一部のことなんですね。」
「はあ・・・」
「つまり、都道8号線の九段下から練馬の谷原交差点までと、都道24号線の谷原交差点から関越自動車道入り口手前の三軒寺交差点までの区間を合わせて、通称“目白通り”って言うんですって。」
「あの道は、たしか、埼玉の方に行くんじゃなかったですか?」
「今は北園交差点で行き止まりなんですけど、ゆくゆくは埼玉県道24号線と繋がるらしいですよ。」

調子に乗って目白通りのうんちくを披露しているうちに、我が家へ曲がる道をうっかり通り過ぎて、東池袋の都電の停留所まで来てしまった。

「この辺で停めてください。家はすぐ近くですから。」
「雨が降りますのに、申し訳ございません」
「いえいえ、私がお喋りに夢中になって、家への曲がり角を見過ごしたのがいけないんですから」

チケットに目を近づける私を見かねた運転手さんが、金額を書き込む欄にボールペンのペン先を当ててくれる。
的確で気持ちのいい配慮に感激した。

「お足元に気をつけてお帰りください」
「どうもお世話様でした」

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

雑司が谷霊園内の小道。
濡れたアスファルトに街灯がぼんやりと光る。
傘にあたる雨音をBGMに
目白通り15.6kmウォークの記憶を脳内再生。

九段下交差点に始まり、
練馬、三軒寺交差点に至る目白通りを
脳内地図にくっきりとマークした。

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