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2015.07.21

romanticをもう一度

それは唐突な言葉だった。

「次の曲は、ある人に届けるために歌います」

それまでのステージには似合わないウェットな言葉に違和感を覚える。

しかし。

その曲のイントロが始まった瞬間、胸が苦しくなった。


  誰かromantic 止めて romantic
  胸が 胸が 苦しくなる


激しくもクールな演奏で客席をぐいぐい惹きつけるロックバンド、trichromatic ropes
ギター、ベース、ドラムという編成の彼らが演奏したのは、C-C-Bのヒット曲“romanticが止まらない”。

1980年代のアイドル系バンドのヒット曲を、trichromatic ropesがカバーする。
実に見事に、きっちりと、そして誠実に。

20代で一世を風靡したC-C-Bのメンバー達は、今、55歳前後。
そろそろ人生の落ち着きどころを見極める年代だ。

そんな正念場とも言える年齢、55歳で突然逝ってしまったC-C-Bの渡辺英樹に届けようと、
trichromatic ropesの3人は、このキャッチ―なヒット曲を演奏する。

実に見事に、きっちろと、そして誠実に。


  同じ孤独を 抱いて生きたね
  今夜 一人では 眠れない


来し方、行く末を思う55歳。
幸運と不運を秤にかけてはため息をつく55歳。
若いとはもう言えないが、枯れるにはまだまだ間がある55歳。

もしかしたら迷いの最中で彼は逝ったのかもしれない。

彼と同世代のtrichromatic ropesの3人。
どんな思いでこの曲を演奏しているのだろうか。
これほどまでに見事に、きっちりと、そして誠実に。


  走る涙に 背中押されて
  Hold me tight せつなさは止まらない


それぞれの思いを託した“romanticが止まらない”
彼らの演奏は、渡辺英樹のもとに、きっと届いたに違いない。

  

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