桃の花だよ、ももこさん~その2
そろそろ見えるはず、桃の花。
ところで、ここはいったいどこだろう?
一宮土塚という住居表示を見かけたから
山梨県は笛吹市あたり・・・?
「あ、咲いてる、咲いてる!」
くまちゃんとうめちゃんの歓声は、
桃の花園の予告編。
私の目には、なかなか見えてこない桃の花。
それが・・・
街を抜けて緩やかな坂道を上り始めると、
陽射しの向きが微妙に変わったその瞬間・・・
私の目にも鮮やかに映った桃の花。
道路の両側に広がる桃の里の木々は、
どの木も、どの木も、ピンク色の花をびっしりと咲かせている。
車を降りて、桃のお花の鑑賞会。
間近に見る桃の花はぽってりとピンク色。
坂の上を仰ぎ見れば、ピンク色の桃の木が立ち並ぶ。
斜面の下を見下ろせば、桃色の枝がふんわりと浮かぶ。
道路側に植えられたチューリップは、
道行く人々への心づくしのおもてなし。
のどかで、静かな平日の桃の里に、
どこからかラジオが聞こえてきた。
音のする方に近づけば、
農家のおじさんがお仕事に精を出す。
桃の花の受粉作業をしてらっしゃるそうな。
夏の初めに甘い実をつけるために
見事に咲いた、いや、見事に咲かせた桃の花。
農家の方々は、花を愛でつつも淡々と作業を進める。
「桜の花に気を取られて、桃の花はなかなか見に来れなかったけど、 これは見事だ!」
興奮気味のくまちゃん。
スマホで写真をいっぱい撮るうめちゃん。
満開の桃を見ようと出かけてくる人々はいるけれど、
お花見のようなお祭り騒ぎはここにはない。
桜の花は晴れ舞台。
農園の桃の花は、充実の実りのしるし。
穏やかな春の日ざしの中で、
桃色の木々を見回して、満足の吐息。
けれど・・・
お腹が空いたよねえ、うめちゃん?
そろそろお昼ご飯にしません、くまちゃん?
≪つづく≫
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