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2017.03.17

夜更けのラジオから

夜更けの枕元のラジオから女性ボーカルが聞こえてきた。

  夕暮れ抱き合う舗道 みんなが見ている前で
  あなたの方にチョコンと おでこをつけて泣いたの

かわいい降り付けで歌うミニスカートのアイドル。
昭和の歌謡番組にはこんな歌がよく出てきたっけ。

  ダーリン、ダーリン、ダーリンMy love
  意味深 I love you

「意味深」という歌詞とは裏腹に
お気軽でキャッチ―な歌詞ではあるが、
ラジオから聞こえてくる彼女は
この絵に描いたようなアイドル曲を
音程もリズムもノリも完璧に歌いこなす。
その見事な歌唱力に、
枕元のラジオに思わず本気で聞き入る。

これ、誰だっけ?
何て言う曲だっけ・・・

  艶姿(あですがた)ナミダ娘 色っぽいね
  まつ毛もぬれて 色っぽいね


キョンキョンだ!

ここに来てようやく気づく、
アイドルにとんと関心がなかった私。

このいかにもアイドルっぽいキメのフレーズ直後

 なぜなの涙がとまらない あなたを見ているだけ

と、憂いを含んだフレーズを一瞬聞かせて
キメのフレーズにさっと戻る。
その小気味よい展開、歌いこなし。

さすが、キョンキョン。
ただのカワイコちゃんアイドルじゃあない。
実力派のボーカリストだったのだと
今さらながらに感心してしまうのは、
くまちゃんの新作、「恋はインフル」で
アイドルごっこをさせてもらったからか。

深夜のラジオは続く。
しばらくして流れてきた男性ボーカル。


  
  もう涙はいらない 僕がそばにいるから
  こんなに愛しているから
  それですべてを失くすとしても
  構わない 君を守りたい

甘ったるい歌詞を聞き流す私の耳は
次のフレーズで釘付けになった。

  助手席のシート 外を見つめて
  いつからか僕を遠ざける
  何がほんとの幸せなのか
  もうふたりで決めよう 迷わないで

甘ったるいラブソングになりがちな
車に並んで乗る彼と彼女の間の
微妙な距離感、緊張感を見事に描く。
車に乗る生活をしているからこそ描けるドラマを
切なく、それでいて硬派に男っぽく歌う
鈴木雅之という歌手。
どこかで聞いたことがある声だと思ったら
「め組のひと」を歌ったラッツ・アンド・スターズの人だった。
  
  ここでいいからと 小さな背中
  真昼の雑踏 溶けてゆく
  生きてゆくこと 平凡じゃない
  力強く静かに歩く君は・・・

車に乗せてもらうのが特別なおもてなしである私は、
「ここでいいから」と真昼の雑踏に「溶けてゆく」
彼女の背中が、ただただ眩しい。

たかが流行歌。
けれど、その数分間に
これだけのリアリティを込められるのか。
夜更けの枕元のラジオを聞きながら、
大きくため息をついたのだった。

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