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2017.05.26

野ばらのパズル

5月最後の木曜日。
十条のミュージカンテAMANEへ。

今日は「リクエストの日」。
出るわ、出るわ、時代もジャンルも超えたリクエスト!

・遥かな友に(ボニー・ジャックス)
・野バラ(ドイツ歌曲)
・ローレライ(ドイツ歌曲)
・五番街のマリーへ(ペドロ&カプリシャス)
・荒城の月(日本歌曲)
・時代(中島みゆき)
・いのちの歌(茉奈 佳奈)
・白いブランコ(ビリー・バンバン)
・津軽の花(原田悠里)
・埴生の宿(イングランド民謡)
・おお、牧場はみどり(チェコスロバキア民謡)

知っている曲も、お初の曲も、
見事に伴奏してしまうアマネさんのピアノ伴奏にのって、
みなさん、張り切って歌う、うたう。

ドイツ歌曲の「野ばら」を歌い終わった時だった。
ひとりのマダムがふとふと呟いた。

「この歌、詞が先にできたんでしたっけ?」

わらべは見たり、野なかの薔薇・・・♪

という日本語の歌詞でお馴染みの「野ばら」。
シューベルト作曲と、ウェルナー作曲と、
二つのバージョンがよく知られている。
今日歌ったのはゆったりとしたウェルナー版。

元のドイツ語の歌詞は、たしか、ゲーテの詩だったはず。
「詞が先ですね」とアマネさんもおっしゃる。

「そうですよねえ・・・でも・・・」
まだ腑に落ちないご様子のマダム。

何がそんなに不思議なんだろう?
歌会から歩いて帰るみちみち、考えてみて、気がついた。

ドイツ語の「野ばら」は、ゲーテの詩が先で、
後からシューベルトとウェルナーがそれぞれ曲をつけた。

けれども、日本語の「野ばら」は、
シューベルトとウェルナーの曲が先にあった。
日本語版は「曲が先」だったというわけだ。

わらべ)は見たり 野なかのばら
清らに咲ける その色愛(め)でつ
飽かずながむ
紅(くれない)におう 野なかのばら

シューベルト版と、ウェルナー版と
全然違う曲想の二つの曲を、
まったく同じ日本語の歌詞で歌ってみたら
一つの日本語歌詞が、どちらの曲にもぴったりはまる。

奇跡のパズルのような現象ではないか?
訳詞とはいえ、ドイツ語と日本語とでは音韻がまったく違う。
二つの「野ばら」に一つの訳詞がそんなに都合よく当てはまるものだろうか?

「野ばら」の訳詞は近藤朔風。
調べてみると、近藤朔風が訳した歌曲は数多い。
今日の歌会で歌った「ローレライ」もその一つ。

近藤朔風は、東京音楽学校で学び、
数々の外国歌曲の訳詞を手掛けたのだそうだ。

もしかしたら・・・

最初からそのように意図して
創られた訳詞なのではないか?

ゲーテの詩に数々の作曲家が曲をつけた「野ばら」。
その中でもシューベルトとウェルナーの二つの歌曲が
ヨーロッパで高く評価されていることを
近藤朔風は知っていたに違いない。
そして、二つの曲のどちらで歌っても
美しく響く日本語の訳詞を創りだしたのではないか?

二つの「野ばら」に一つの訳詞。
この奇跡のパズルを解いたのは
近藤朔風という訳詞者だったに違いない。

それにしても・・・

「詞が先でしたっけ・・・?」
歌会のマダムの鋭い問題提起に
あらためて感心させられる。

そんな歌会からの帰り道。
「野ばら」の訳詞の謎解きに没頭するあまり、
うっかり道を間違えて、北区と豊島区の狭間のラビリンスから抜け出せず、
夕焼け小焼けが聞こえるころに、ようやく家にたどり着いたのでした。

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