2016.04.15

桃の花だよ、ももこさん~その3

観光農園の食堂でお昼ご飯。
見晴らしのいい外のテーブルで
温かいうどんをすする。

ここにもきれいな桃の花。
でも、ちょっと違う?
これは、観賞用の桃の花。

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売店をひとめぐり。
「のらぼう菜」という菜っ葉と、
しじみの味噌汁の素を我が家へのお土産に。

ところで、うめちゃん。
行楽のお供に欠かせないものがあるよねえ?
特に今日みたいにぽかぽか陽気の日には、ねえ?

くまちゃん「それなら、だんござかサービスエリアに行きましょう」
ももこ「美味しいお団子があるの?」
くまちゃん「え?」
ももこ「団子坂って言うから・・・」
くまちゃん「団子じゃなくて“談合坂”ですよ」

団子じゃなくて談合坂サービスエリアで、
団子じゃなくてソフトクリームを探して、
広い広いフードコートを歩き回るが、なかなか見つからず・・・

いちばん先に見つけたのは弱視のももこさん。
ソフトクリームの看板はよく見えるんだなあ、これが。

「バニラと、プレミアムと、抹茶の三種類」と
くまちゃんがメニューを読んでくれる。

「他にもあるみたいですよ、ほら!」
ももこさんが指さした足もとの看板には
10種類ほどのソフトクリームが並んでいた。

本当に、ソフトクリームの看板だけはよく見えるのだ。


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日当たりのいいテーブルで仲良くソフトクリームを平らげたら、
クマちゃん号に乗り込んで、
笹子トンネルと、小仏トンネルと、ひよどり山トンネルを通って、
帰ってきた八王子の桜は散り始めていた。

くまちゃんとうめちゃんに誘われて、
急きょ出かけた桃の里。
青空の下、満開の桃に迎えられるとは、
なんと運のいいことか!

いえいえ、それは違います。
ももこさんが会いに行くと言うから、
桃の花は満開になって迎えてくれたのだと思います♪

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《おわり》

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2016.04.14

桃の花だよ、ももこさん~その2

そろそろ見えるはず、桃の花。
ところで、ここはいったいどこだろう? 
一宮土塚という住居表示を見かけたから
山梨県は笛吹市あたり・・・?

「あ、咲いてる、咲いてる!」
くまちゃんとうめちゃんの歓声は、
桃の花園の予告編。

私の目には、なかなか見えてこない桃の花。
それが・・・
街を抜けて緩やかな坂道を上り始めると、
陽射しの向きが微妙に変わったその瞬間・・・

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私の目にも鮮やかに映った桃の花。
道路の両側に広がる桃の里の木々は、
どの木も、どの木も、ピンク色の花をびっしりと咲かせている。

車を降りて、桃のお花の鑑賞会。
間近に見る桃の花はぽってりとピンク色。
坂の上を仰ぎ見れば、ピンク色の桃の木が立ち並ぶ。
斜面の下を見下ろせば、桃色の枝がふんわりと浮かぶ。

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道路側に植えられたチューリップは、
道行く人々への心づくしのおもてなし。

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のどかで、静かな平日の桃の里に、
どこからかラジオが聞こえてきた。
音のする方に近づけば、
農家のおじさんがお仕事に精を出す。
桃の花の受粉作業をしてらっしゃるそうな。

夏の初めに甘い実をつけるために
見事に咲いた、いや、見事に咲かせた桃の花。
農家の方々は、花を愛でつつも淡々と作業を進める。

「桜の花に気を取られて、桃の花はなかなか見に来れなかったけど、 これは見事だ!」

興奮気味のくまちゃん。
スマホで写真をいっぱい撮るうめちゃん。

満開の桃を見ようと出かけてくる人々はいるけれど、
お花見のようなお祭り騒ぎはここにはない。

桜の花は晴れ舞台。
農園の桃の花は、充実の実りのしるし。
穏やかな春の日ざしの中で、
桃色の木々を見回して、満足の吐息。

けれど・・・

お腹が空いたよねえ、うめちゃん?
そろそろお昼ご飯にしません、くまちゃん?

≪つづく≫


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桃の花だよ、ももこさん~その1

「ももこさん、
桃の花見に行きましょう。」

くまちゃんとうめちゃんが誘ってくれた。

桃のお花はどこにある?
山の向こうのそのまた向こう。
くまちゃんの車に乗せてもらって八王子を出発。

最初に通るのがひよどり山トンネル
次が小仏トンネル。

ももこ「小仏トンネルの向こうは山梨県?」
くまちゃん「いえいえ、そこは神奈川県。」

東京都。神奈川県。山梨県。
一都二県の境界線は複雑怪奇。

ももこ「ずいぶん長いトンネルですね」
くまちゃん 「これは笹子トンネル。何年か前に大きな事故があったでしょ?」
ももこ「天井が落ちた大事故!」
くまちゃん「あのトンネル事故で助かったのは、止まらなかった車です」
ももこ「止まらなかった?」
くまちゃん「高速道路で事故に遭遇したら、止まっちゃ駄目!」
ももこ「じゃあ、どうするの?」
くまちゃん「走り抜ける! それしか助かる道はない!」
ももこ「そういうこと、教習所で教えてくれるの?」
くまちゃん「教えない!」
ももこ「教えてあげればいいのに・・・」

長い長いトンネルを抜けたら、
どちらを向いても山ばかり。
なるほど、ここは甲府盆地。

「きれいだなあ! きれいだなあ!」を連発するくまちゃん。
どちらを向いても山が見えて、いい眺めではあるけれど、
何がそんなにきれいなの?

「ほら、桜が咲いてる! あそこにも! あそこにも!」

と、言われても、くまちゃん号は高速道路を高速走行中。
近くの景色はあっという間に通り過ぎる。
遠くの山並みは私の目にはぼんやりかすんで見える。
それで十分春らしい美しさだと
弱視の私の目には映るのだけれど、
くまちゃんは、この風景のいったいどこに
そんなに感動しているのだろう?

「こういう色合いの山は今しか見られないよねえ!」

こういう色合い・・・遠くに近くに見える山々が、
春霞にかすんだように見えるのは、
弱視の私の目がかすんでいるからだと思っていたのだけれど・・・

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あら、本当だ。
うっすらピンクの桜の花と
うっすら若緑色の木々で
ふんわりと春色にかすむ山々。
私の目がかすんでいるだけじゃ、なかったんだ~

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「あ! 富士山だ! ほら、あそこ!」
運転中のくまちゃんが、
なぜかいち早く見つけて教えてくれる。
けれど、車は止まれない~止まっちゃいけない高速道路。
富士山は、あっというまに山の向こうにかくれんぼ。

何度目かに休憩した初狩パーキングエリアのお手洗いに
見事な富士山の写真をみつけた。

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こんな大きな富士山が、本当に見えるのかしらん・・・
と思いながらお手洗いから出てきたら、

「見えるよ! ほら、あそこ!」
くまちゃんとうめちゃんが同時に指差す。
私の目には見えないけれど、
単眼鏡という秘密兵器を取り出して、
二人が指さす方に向けてみたら・・・

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富士山の真っ白な三角の頭が大きく見えて、
感動する私はやっぱりニッポン人。
くまちゃんとうめちゃんが教えてくれたから
私も見ることができた、富士山の白い頭。

春色の山々を眺めて、
真っ白い富士山の大きな頭を見て、
いよいよ、次は桃の里。
高まる期待を乗せて、くまちゃん号は走る・・・

≪つづく≫

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