いつもニコニコしているはずのももこさんですが、きょうは久しぶりに怒っています。
プンプンプン! いったい何なのよーー!
いつも出かけてばかりのももこさんは、きょうはひとりでお留守番。留守番していると、かかってくる、かかってくるセールスの電話。
マンション、お墓、金融商品、エステ・・・・
いつもニコニコまあるい性格のももこさんは、こういう電話は一通り相手の話を聞いてあげます。せっかくかけてきたんだし、いきなりガチャンと切るのも気の毒な気がするので。たいていの電話の主は、立て板に水で原稿を読み上げるごとく話すので、相づちもそこそこに聞いています。その上で、「今は興味がないので必要ありません」と言って電話を切ることにしています。これで問題が発生することはめったにない・・・
めったにないはずなのですが・・・・
きょうは問題が発生してしまったのです。
お留守番の昼下がり。クーラーをつけて、気分よく弾き語りの練習をしていたももこです。今度のライブでは何を歌うかなあ・・・などと考えながらギターを弾いて歌う至福の時間。
そして、今、かなり気にいっているブラジルの歌、ROSAを美しく歌っているところへ・・・電話が鳴りました。ももこの部屋の子機の呼び出し音ははビバルディの「四季」。ピシンギーニャの名曲も電子音のビバルディにはかないません。
もーー! せっかくいいところだったのにいい!
「もしもし・・・?」
「○○様のオタクでいらっしゃいますか?」
「そうですけど?」
電話の主は若いお兄さん。どうやら、電話センターみたいなところで大勢でいっせいにセールスの電話をかけているような雰囲気が受話器の向こうから伝わってきます。さてさて、今度は何のセールス??
「お母様はいらっしゃいますか?」
しめしめ。このせりふを相手が言ってくれると電話はすぐに切り上げられるのです。ももこは見た目も幼いけれど、電話の声もかなり幼いので、中学生のお嬢さんが電話に出ちゃったと、相手が勝手に勘違いしてくれることが多々あります。こういうときは、このひとことで片付くはず・・・
「母は今、留守なんですけどー」
しかも、母が今留守なのは本当だし・・・
「ああ、そうでしたか。ではまた後日かけなおさせていただきます」と言って電話は切れるはずでした。たいていそうなるはずなのです!
ところが。
「オヨメサマでいらっしゃいますか?」
え? オヨメサマ? なんだか妙な日本語ねえ。まあ、いいか。適当に答えておこう。
「ええ・・・」
この時点で、ももこは急速に不機嫌になっておりました。大好きなROSAを歌っていたところに割り込みの電話。しかも、相手はここまで、自分を一切名乗らない。
「本日はですねえ。。○○様のお住まいの、えーと、これは何て読むんですか、この住所?」
「はあ?」
「△△って読むのかな、この地域にお住まいの皆様にご案内のお電話をかけさせてもらってるんですよー」
要するに家賃収入を見込めるマンションはいかが?というお話。それにしても、マンション売ろうっていう人が、「この地域」の地名が読めなくてどうするの???
「あ、マンションですね。うちはマンションを買う予定はないですから」と言って電話を切ろうとしました。
ニコニコ電話のももことしてはかなり不機嫌な声で。
すると。
「お金がないってことですかー?」と言うじゃないですか。ずいぶん失礼なセールスねえ、と思ったけど、せっかくそういう言葉を言ってくれたので
「ええ、お金がないからマンションは買いません。」
と言って、電話を切りました。
あーあ、ROSA、どこまで歌ってたんだっけなあ・・・・と思うまもなく、また電話が鳴るじゃないですか!
「もしもし?」
「さっき、電話切られちゃった者ですけどねー!」
なんと! セールスお兄さんはリダイヤルしてきたのです。これは初めての経験です。
「お金はまったくかからないんですよー」とお兄さん。
そんな素敵なマンションなら、そんなに目の色変えてセールスしなくてもお客は集まるでしょうに・・・それにしてもシツコイなあ・・・ここは、ニコニlコももこは引っ込めて、コワーイももこおばさんに変身せねば。
「マンションの話にはまったく興味がありません。もう二度と電話をかけてこないでください!」と断り、まだ何かまくし立てているお兄さんをほったらかしにして電話を切りました。
お兄さんはあきらめなかったのでしょう。また電話が鳴りました。ももこの部屋にビバルディが鳴り響きます
ピ ピッピッピ ピピピー
ピピ ピッピッピ ピピピー
ピピ ピーピピ ピッピ ピッピッピー・・・
1分ほど鳴り続けてビバルディは止まりました。
やれやれ・・・ROSAを歌う気分はすっかり失せてしまいました。わたしの幸せな歌の時間はどうしてくれるのよー!
セールスお兄さんもお仕事で大変なんでしょうけどねえ。そもそも平日の昼下がり。電話がつながる家は少ないでしょうから、やっと受話器を取ってくれた相手を逃さないゾっていう意気込みもわからなくはないけれど。
でも、迷惑!!この上ない!!!
そうだ! こんどこういう電話がかかってきたら、受話器に向かって歌ってあげよう! この歌・・・
♪夜更けの電話
♪あなたでしょう
♪話すことなど 何もない
♪Making good things better
♪いいえ、済んだこと
♪二度と、かけてこないでーー!!
(「オリビアを聞きながら」)